ティー・ワイ・オーは本格出直りへ、26週線抜け間近

  広告代理店向けTV-CM制作大手のティー・ワイ・オー <4358> (東2)の株価は戻り一服の展開だが、下値固め完了感を強めている。収益改善基調や高配当利回りを評価して出直りの動きとなりそうだ。   広告代理店向けのTV-CM企画・制作事業を主力として、WEB広告やプロモーションメディア広告の企画・制作などマーケティング・コミュニケーション事業も展開している。不採算事業の縮小・撤退・売却などによって事業構造改革を推進し、13年5月にはマーケティング・コミュニケーション事業内で不採算だったテオーリア事業部を譲渡した。   13年9月に発表した新中期経営計画では、目標数値として16年7月期売上高320億円、営業利益21億50百万円などを掲げ、株主還元として配当性向25%以上と株主優待の継続的実施の方針を示した。広告市場は拡大基調であり、TV-CM制作業界では当社を含む大手制作会社3社による寡占化傾向を強めている。20年東京夏季五輪も追い風となり、中期的に事業環境は良好だろう。   12月11日発表の今期(14年7月期)第1四半期(8月~10月)の連結業績は、前年同期比13.5%増収、同5.0%営業増益、同5.6%経常増益、同32.6%最終減益だった。法人税等調整額が増加したため最終減益だったが、TV-CM企画・制作事業が同18.5%増収、マーケティング・コミュニケーション事業が同10.7%増収と好調に推移し、制作費の増加や上場市場変更に係る費用などを吸収した。   通期の見通しは前回予想を据え置いて売上高が前期比6.0%増の265億円、営業利益が同13.8%増の17億円、経常利益が同10.8%増の15億40百万円、純利益が同10.1%増の8億90百万円としている。TV-CM事業は自動車、電気・情報通信、衣料、飲料業界向けを中心に好調が続いている。大型案件の増加や大口広告主からの直接受注の増加も寄与する。人件費の先行投資が一巡したことに加えて、不採算事業撤退など事業構造改革の効果も寄与して、収益が一段と改善する見込みだ。   株価の動き(10月25日付で東証2部に市場変更)を見ると、10月2日の戻り高値185円から反落して戻り一服の展開となった。11月以降は概ね145円~155円近辺のレンジで推移している。ただし足元では徐々に下値を切り上げている。下値固めが完了したようだ。   12月25日の終値154円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円90銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS70円01銭で算出)は2.2倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。高配当利回りにも見直し余地があり、調整が一巡して出直り展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
広告代理店向けTV-CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東2)の株価は戻り一服の展開だが、下値固め完了感を強めている。収益改善基調や高配当利回りを評価して出直りの動きとなりそうだ。
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2013-12-26 09:15