東京理科大、マレーシア元首相マハティール氏を招聘し新大学を構想

 東京理科大学は、マレーシア元首相のマハティール・ビン・モハマド氏を同大学のグローバル・アドバイザーに迎え、マレーシアへの大学分校の設立に向けて検討を開始すると発表した。2014年5月24日、東京でマハティール氏のグローバル・アドバイザー就任調印式典を開催した。式典においてマハティール氏は、「マレーシアに日本の大学を誘致することは私の夢だった。日本語で教育を実施してもらい、大学キャンパスがマレーシアにおけるリトルジャパンのような存在になることを期待している」と、東京理科大との協議入りを喜んだ。  マハティール氏は首相在任時代(1981年-2003年)に「東方政策(Look East政策)」を提唱し、日本の戦後発展に学び、マレーシアの成長に採り入れていくことを積極的に推進した。今回の大学誘致について、「日本の規律、そして、何にでもベストを尽くすという考え方は、マレーシアの文化にもある考え方で馴染みやすい。日本の大学がマレーシアにやってくることで、知識だけではなく、ふるまい方や実直でごまかさないという日本の文化そのものに触れる機会となり、マレーシアの発展に貢献できる」と期待を寄せている。  マレーシアでは日本政府の協力を得て、2011年9月にマレーシア工科大学(UTM)にマレーシア日本国際工科院(MJIIT)が設置され、現在、日本の24大学と外務省、JICA等でMJIITコンソーシアムを形成し、日本型の工学系教育を現地で行っている。この取り組みには、東京理科大学も参画している。  今回の大学誘致計画は、「MJIITがマレーシアの大学の中の日本の授業ということと比較すると、日本の大学そのものを、マレーシアにおいて日本流に作ってもらうという計画。授業は日本語で行われ、キャンパスには日本庭園もあり、茶道など日本の文化を伝える機会も設けるなど、日本そのものを体験できる場にもしたい。マレーシアの人々をはじめ、近隣各国からも留学生を受け入れたい」(マハティール氏)と構想を膨らませている。マレーシアでは、英国、豪州、米国の大学は既に設置されている。  東京理科大学の理事長、中根滋氏は、「マハティール閣下には、大学構想の最初の段階から議論に参加していただき、徹底的にマレーシアの方々のニーズに適った大学を設立したい。2015年3月までに全体構想を固め、今後3年間をかけて実現していきたいと考えている。今回の構想は、たとえば、1学部を設置するだけでも50人-100人の日本人スタッフが現地に入る。学科にしても機械工学や電気工学、建築学、薬学、経営学など、医学を除くあらゆる学科を擁しているので、現地で必要とされる学部学科を設置したい。アジアとアジアの人々のための理科大をアジアに建学したい」と語り、「日本の理科大から、世界の理科大へ」という目標に向け、アジアに建学する強い使命感を表明した。 (写真は、東京理科大学グローバル・アドバイザー就任調印書を交換するマレーシア元首相のマハティール・ビン・モハマド氏<左>と、東京理科大学理事長の中根滋氏。サーチナ撮影)(取材・編集担当:徳永浩)
東京理科大学は、マレーシア元首相のマハティール・ビン・モハマド氏を同大学のグローバル・アドバイザーに迎えた。(写真は、東京理科大学グローバル・アドバイザー就任調印書を交換するマレーシア元首相のマハティール・ビン・モハマド氏<左>と、東京理科大学理事長の中根滋氏。サーチナ撮影)
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2014-05-25 14:30