フォトクリエイトは底打ち感、中期成長力を評価して出直り
インターネット写真販売サービスやクラウドサービスのフォトクリエイト <6075> (東マ)の株価は、1月戻り高値圏から反落後は地合い悪化も影響して軟調展開が続いたが、足元では急反発して底打ち感を強めている。中期成長力を評価して出直り展開だろう。
02年の設立で、13年7月東証マザーズ市場に新規上場した。インターネット写真サービス事業(全国各地で開催されるスポーツ・音楽・祭り・学校行事・結婚式などのイベントに契約カメラマンを手配して撮影し、撮影した写真をWebサイトに掲載してイベント参加者などに販売する事業)、フォトクラウド事業(全国の地域密着の写真館など法人向けに当社のインターネット写真販売プラットフォームを提供してサービスを受託する事業)、および広告・マーケティング支援事業(顧客企業の写真販促施策を支援する事業)を展開している。
インターネット写真サービス事業では、カテゴリーごとにスポーツ写真販売サイト「オールスポーツコミュニティ」、社交ダンス写真販売サイト「ダンスライフ」、イベント写真販売サイト「フォトチョイス」、お祭り写真販売サイト「ヨイショット」、音楽イベント写真販売サイト「ステージライフ」、学校写真販売サイト「スナップスナップ」などを運営している。
インターネット写真サービス事業の先行者として市場を開拓してきたため、撮影ノウハウ、販売ノウハウ、ブランド力、さらに写真とIT技術の連携などの面で圧倒的な優位性を有している。契約カメラマン数は13年12月末時点で約1400名となり、カメラマンのクオリティを維持しながら着実に増加している。主力のスポーツ写真販売サイト「オールスポーツコミュニティ」はスポーツを行っているユーザー月間45万人が集まるサイトで、マラソンなど全国各地約70種目のスポーツイベントを年間約4000大会撮影している。
フォトクラウド事業では、地域写真館・撮影事業者向け「スナップスナップインターネットラボ」、結婚式場事業者・婚礼写真会社向け「グロリアーレ」、さらに「読売巨人軍オフィシャル写真販売サイト」や「福岡ソフトバンクホークスオフィシャル写真サイト」などのシステムを提供している。
成長戦略では「心豊かなフォトライフを実現するインターネットサービス企業」を目指し、既存の「オールスポーツコミュニティ」などの媒体価値向上に加えて、フォトクラウド事業を将来の収益柱に育成する方針を掲げている。幼稚園・保育園・小学校など学校写真領域を中心に撮影している地域写真館、および結婚式場事業者などとの提携・サービス提供を拡大し、広告・マーケティング支援事業の拡大にも繋げる。写真の新しい楽しみ方(新しい商品・サービス)の提供や海外展開なども推進する方針だ。
5月14日に発表した今期(14年6月期)第3四半期累計(7月~3月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比12.3%増の24億26百万円、営業利益が同11.3%減の1億41百万円、経常利益が同18.3%減の1億31百万円、純利益が同18.3%減の79百万円だった。先行投資負担などで減益だったが、売上面はインターネット写真サービス事業やフォトクラウド事業が好調に推移して2桁増収だった。
事業別売上高を見ると、インターネット写真サービス事業は同6.9%増の19億07百万円だった。2月の大雪の影響で中止もしくは参加者が減少するイベントが発生したが、東京マラソン2014や大阪マラソン2013などに加えて、教育写真領域が好調に推移した。フォトクラウド事業は同35.8%増の4億69百万円だった。写真館・撮影事業者向けWebサイト「スナップスナップ」や結婚式場向けWebサイト「グロリアーレ」の取引が拡大した。契約写真館数は前期末比246増の1085と順調に増加した。広告・マーケティング支援事業は同55.1%増の50百万円だった。
通期業績(非連結)見通しは前回予想(8月9日公表)を据え置いて、売上高が前期比13.9%増の32億30百万円、営業利益が同7.6%増の1億93百万円、経常利益が同4.6%増の1億83百万円、純利益が同4.1%増の1億06百万円としている。幼稚園・小学校等の運動会が集中する第2四半期(10月~12月)や大型マラソン大会が集中する第3四半期(1月~3月)など、イベント開催時期や天候の影響を受けやすい収益構造だが、スポーツ・教育・ウエディング領域の好調が牽引し、先行投資負担などを吸収して増収増益見込みだ。
中期経営計画では、目標値として16年6月期売上高44億91百万円、営業利益3億68百万円を掲げている。全国各地で大型マラソン大会新設の動きも相次いでおり、スポーツイベント増加などを背景にインターネット写真サービス事業が順調に拡大する。フォトクラウド事業は契約写真館数の増加による規模拡大に伴って利益率が上昇し、収益寄与が本格化する見込みだ。
株価の動きを見ると、1月戻り高値2380円から反落後は地合い悪化も影響して軟調展開が続き、5月21日には1195円まで下押す場面があった。しかし5月21日安値から急反発の動きとなり、5月23日には1310円まで戻す場面があった。IPO直後の13年7月高値4260円からほぼ4分の1水準となって底打ちした可能性があるだろう。
5月23日の終値1295円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS84円65銭で算出)は15~16倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS356円20銭で算出)は3.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に接近してきた。これを突破すれば強基調に転換して上げ足に弾みがつきそうだ。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
インターネット写真販売サービスやクラウドサービスのフォトクリエイト<6075>(東マ)の株価は、1月戻り高値圏から反落後は地合い悪化も影響して軟調展開が続いたが、足元では急反発して底打ち感を強めている。
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2014-05-26 09:15