キーコーヒーはボックス下限から反発、煮詰まり感強め上放れ

  レギュラーコーヒー大手のキーコーヒー <2594> の株価は戻り高値圏でのボックス展開が続いているが、煮詰まり感も強めている。足元はレンジ下限から反発してレンジ上限に向かう形であり、きっかけ次第でボックス上放れの展開だろう。   コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド強化、収益力強化、グループ連携強化を3つの柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓に取り組み、M&Aも積極活用して業容を拡大している。   13年1月には銀座ルノアール <9853> を持分法適用会社化し、14年2月にはネット通販市場での事業拡大に向けて、インターネットを中心にコーヒー豆の焙煎加工販売を展開するhonu加藤珈琲店を子会社化した。積極的な業容拡大策で中期成長が期待される。   5月12日に発表(5月21日に一部訂正)した前期(14年3月期)連結業績(10月28日に増額)は、売上高が前々期比横ばいの536億22百万円、営業利益が同63.5%増の15億47百万円、経常利益が同49.6%増の19億40百万円、純利益が同6.3%減の10億26百万円だった。利益面では、コーヒー原料生豆相場がやや落ち着いたことに加えて、販管費圧縮効果も寄与した。純利益は負ののれん発生益一巡で減益だった。配当予想は5月12日に増額修正を発表し、前回予想から1円増額して年間15円(第2四半期末7円、期末8円)とした。前々期との比較では3円増配となる。   セグメント別に見ると、コーヒー関連事業は売上高が同0.5%減の451億10百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同48.4%増の19億94百万円だった。業務用市場での差別性の高いプレミアムコーヒーの拡販、家庭用市場での季節限定商品の投入、ギフト商品のラインナップ充実、コーヒー生豆市場の落ち着きなどが寄与した。市場開発に対する施策として取り組んでいる「KEY’S CAFE」導入店舗は15店舗となった。   飲食関連事業は、アマンドを含めて売上高が同1.7%減の62億18百万円、営業利益が同17.0%減の45百万円だった。イタリアントマトは海外展開を積極推進し、国内外の新規出店27店舗、閉店29店舗で、14年3月末時点の店舗数は直営80店舗、FC222店舗の合計302店舗となった。その他の事業は、売上高が同17.4%増の22億93百万円、営業利益が同82.6%増の1億20百万円だった。ニック食品での受託商品の増加が牽引した。   今期(15年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比2.2%増の548億円、営業利益が同16.0%減の13億円、経常利益が同12.4%減の17億円、純利益が同2.6%減の10億円としている。コーヒー生豆相場の高騰、円安による輸入原材料価格の上昇、消費増税に伴う消費マインドの低下などの影響で減益見込みとしている。配当予想は同1円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。コーヒー生豆相場の動向次第で収益が変動するが、消費マインド低下の影響については軽微となる可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、3月24日に1650円まで急伸して13年2月高値に面合わせの場面があったが、買いが続かず概ね1550円~1600円近辺でのボックス展開が続いている。足元はレンジ下限の5月16日1550円から反発してレンジ上限に向かう形だ。   5月23日の終値1571円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円08銭で算出)は35~36倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1541円85銭で算出)は1.0倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると26週移動平均線回復の動きを強めている。煮詰まり感も強めており、きっかけ次第でボックス上放れの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
レギュラーコーヒー大手のキーコーヒー<2594>(東1)の株価は戻り高値圏でのボックス展開が続いているが、煮詰まり感も強めている。足元はレンジ下限から反発してレンジ上限に向かう形であり、きっかけ次第でボックス上放れの展開だろう。
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2014-05-26 09:30