【為替本日の注目点】米株高で円売られ、ドル円堅調102円台回復なるか
NY市場
ドル円は引き続き堅調で、住宅関連指標が好調だったことから1週間ぶりに102円台に乗せ、101円台後半で引ける。
ユーロドルは3ヶ月ぶりのユーロ安水準を記録。独ifo景況感指数が市場予想を下回ったことで一時1.3616までユーロ売りが進む。
株式市場は続伸。新築住宅販売件数が増加したことを手がかりに上昇。S&P500は引け値で初めて1900を超え、最高値を更新。
債券相場は3日振りに反落。ウクライナの混乱や、欧州の景気減速を受けて債券への需要が高まった。長期金利は2.53%台まで低下。
金は反落し、原油は反発。
4月新築住宅販売件数 → 43.3万件
ドル/円 101.77 ~ 102.02
ユーロ/ドル 1.3616 ~ 1.3643
ユーロ/円 138.74 ~ 139.06
NYダウ +60.19 → 16,606.27ドル
GOLD -3.30 → 1,291.70ドル
WTI +0.61 → 104.35ドル
米10年国債 -0.024 → 2.530%
本日の注目イベント
日 日銀金融政策決定会合議事要旨(4月30日分)
日 岩田・日銀副総裁講演
米 NY債券・株式市場休場(メモリアルデー)
先週火曜日の黒田日銀総裁の記者会見をきっかけにドル安が進み、一時は100円81銭まで下落したドル円でしたが、その後は緩やかに上昇し、先週末のNY市場では102円台に乗せる場面もありました。振り返ってみれば、2月3日に100円78銭までドル安が進み、「100円割れも」意識され、その後ゆっくりとドルが買い戻された状況と同じ展開です。100円台後半が相当堅いドルサポートレベルであることが確認されたと同時に、この水準を割り込むとドル安が加速する可能性が高いことも示唆していると理解することができます。
ドル円は結局102円台まで買い戻されてはいますが、問題はここから102円台を維持し、103円を試すような展開になるかどうかです。特に102円台半ばから上値は、今月の米雇用統計の当日以来届いていない水準で、ドル売りが集まりやすい水準です。テクニカル的にも、102円20銭辺りには「52日線」(日足)があり、さらにその上には一目均衡表の「雲」と、「120日線」も控えています。
と言うことは反対に、103台までドル円が上昇すれば、これら全てのレジスタンスを抜けたことになり上昇に弾みが付くと考えられ、この水準がいかに重要かを示していることになります。ドル円は依然としてボラティリティーが低く、100円~103円のレンジを抜け切れないと予想しています。ここは、やはり6月の成長戦略の中身が示されるまでは我慢が続き、再度アベノミクスが注目されるのか、あるいは失望に変わるのかを見極めるしかありません。
ドル円に比べ、方向性が比較的読みやすいのがユーロドルです。ユーロドルは1.40目前まで上昇した後、わずか2週間で350ポイント以上下落し、先週末は「日足」で重要な「200日」まで下落してきました。足許ではほぼ「200日線」近辺で推移していますが、ここからさらに下落すれば1.35近辺までのユーロ安も見込めそうです。6月5日のECB政策委員会では複数の「追加緩和策」が発表されると思われます。現在の動きはそれを織り込んでいる状況と考えられますが、「追加緩和策」が発表されてからの「後追い」はやや危険です。既にポジションが作られており、材料出尽くしから利益確定のユーロ買い戻しが出てくることが考えられるからです。
本日のNY市場では株式、債券市場がメモリアルデーのため休場です。そのため大きな動きは期待できません。また注目されたウクライナの大統領選では、出口調査の結果、親欧米派のポロシェンコ氏が勝利したと伝えられており、予想通りの結果です。ブルームバーグによると、ウクライナのテレビ局4社の調査では、ポロシェンコ氏の得票率は57.3%で、2位以下を大きく引き離しているようです。
本日は日本の株価がやや上昇すると見られますが、ドル円が102円台を回復できるかどうか、そして102円台でのドル売りをこなしていけるかどうかに注目しています。レンジは101円50銭~102円30銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は引き続き堅調で、住宅関連指標が好調だったことから1週間ぶりに102円台に乗せ、101円台後半で引ける。
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2014-05-26 09:30