ケンコーマヨネーズは4月安値圏から出直り、1月高値目指す
業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ <2915> の株価は、前期(14年3月期)利益減額修正を嫌気した4月安値圏から反発して出直りの動きを強めている。中期成長力を評価して1月高値を目指す展開だろう。指標面の割安感も支援材料だ。
サラダ類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜などの総菜関連事業、その他事業(ショップ事業、海外事業)を展開している。中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」など、事業領域拡大戦略が順調に進展している。
サラダカフェ事業は30店舗構想を掲げて百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進めている。さらに業務用メーカーからの脱皮を目指して、個食化に対応した小袋形態のロングライフサラダ「サラダのプロがつくった」シリーズを13年9月に発売するなど、BtoC市場への事業展開も強化している。海外は中国で15年3月期中の単月黒字化を目指し、インドネシアではハラル認証を取得して13年10月から生産・販売を開始した。
14年3月には静岡富士山工場(静岡県富士市)が竣工した。中期経営計画における「事業領域の拡大」の一環として新設した工場である。割卵から製品までの連続一貫生産ラインとなり、焼成たまごを年間6000トン生産する。
5月12日に発表した前期(14年3月期)連結業績(4月4日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前々期比5.1%増の573億01百万円、営業利益が同12.6%減の24億28百万円、経常利益が同12.3%減の22億58百万円、純利益が同10.2%減の12億65百万円だった。原料高の影響で減益だったが、売上高は3期連続で過去最高を更新した。配当予想は前々期と同額の年間21円(第2四半期末10円、期末11円)とした。
売上高についてはメニュー提案力強化や、分野を細分化した業態別チームのきめ細やかな対応などの成果も寄与して増収だった。利益については新工場稼働に向けた先行費用に加えて、穀物相場の高値圏推移、為替の円安に伴う食用食物油など海外産原料調達価格の上昇、13年夏の猛暑後の鶏卵相場の高値圏推移などで原料価格が想定以上に上昇したため、マヨネーズ類を中心とした一部製品の価格改定や費用削減などで吸収できず減益だった。
セグメント別の動向を見ると、調味料・加工食品事業は売上高が同3.6%増の475億41百万円、経常利益が同15.8%減の21億06百万円だった。利益面では原料高の影響などで減益だったが、売上面ではサラダ・総菜類は外食向けやコンビニ向けの新規採用、マヨネーズ・ドレッシング類はサンドウィッチ用途の数量増加などが寄与した。タマゴ加工品はさまざまな加工形態の商品がコンビニ向けなどに大幅伸長した。
総菜関連事業は売上高が同14.1%増の85億86百万円、経常利益が同15.0%増の3億69百万円だった。量販店向けの新規採用などでポテトサラダやパスタサラダなどが増加した。利益面では生産稼働率上昇などが寄与した。その他事業は売上高が同5.4%増の11億73百万円、経常利益が2億16百万円の赤字(前々期は2億55百万円の赤字)だった。
今期(15年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比4.7%増の600億円、営業利益が同19.0%増の28億90百万円、経常利益が同19.5%増の27億円、純利益が同25.6%増の15億90百万円としている。配当予想は同2円増配の年間23円(第2四半期末10円、期末13円)とした。
売上面では静岡富士山工場の稼働に伴う販路拡大、タマゴ加工品の新商品投入、小袋形態のロングライフサラダ「サラダのプロがつくった」シリーズの拡販、量販店向けフレッシュ総菜の販売数量増加などで増収見込みだ。セグメント別売上高の計画は調味料・加工食品事業が同4.1%増の495億円、総菜関連事業が同8.3%増の93億円、その他事業が同2.3%増の12億円としている。利益面では増収効果、価格改定効果、生産効率改善効果に加えて、原材料価格が落ち着くことも寄与する。
株価の動きを見ると、1月高値950円から反落後は900円近辺でモミ合う展開だったが、4月4日の前期利益減額修正を嫌気して4月11日の853円まで調整した。しかし4月安値圏から反発して5月14日には898円まで戻す場面があった。減額修正を嫌気した売りが一巡して出直りの動きだ。
5月23日の終値891円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS111円89銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1112円55銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して強基調に転換の形となった。また週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。指標面の割安感も支援材料として1月高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ<2915>(東1)の株価は、前期(14年3月期)利益減額修正を嫌気した4月安値圏から反発して出直りの動きを強めている。
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2014-05-26 09:45