今週の為替相場見通し(2014年5月26日-)=為替王

 先週号では「EUR/USDのとりあえずの下落ターゲットは1.36台前半。ユーロ円については、とりあえず138円台」と明言しましたが、ともに予想が的中して、とても良かったと思います。経済ファンダメンタルズの観点では、今までドイツ経済がユーロ圏経済を牽引してきて、「ドイツだけが唯一の頼みの綱」といってもよいくらいでしたが、そのドイツの経済指標が最近失速していることが目に付きます。為替市場において通貨ユーロは、超長期的な観点ではやや高い水準で推移していますので、ユーロ圏内の産業をサポートする観点で、ユーロ安またはユーロ安につながる金融政策を望む声が強まるかもしれません。そうなりますと、(1年前に日銀がやったほどの規模ではないにしても)、早ければ来月にも欧州中央銀行が金利低下およびユーロ安につながる追加策を打ち出してくるシナリオも考えられると思います。  米ドル円は非常にしぶとい動きが続いています。先週は一時、約3カ月ぶりに1ドル=101円を割れて100円台に突入する場面がありました。しかしすぐに反発して週末は102円を回復。依然として今年これまでのレンジ相場(100~105円)の範囲内であり、非常に判断が難しいところですが、現時点ではまだどちらかというと下向き。上方のポイントは102円台前半の水準。そのあたりが上値抵抗帯となっており、そこを超えるとまたちょっと相場の雰囲気や流れが変わる可能性があるのですが、それまでは現在蓄積されている相場エネルギーが下方に放たれるリスクを頭に入れておきたいです。  豪ドルやNZドルは下落していた流れが先週ひとまず止まって反発しました。チャート形状を見ますと、上昇トレンドに転じたというよりは、下落トレンドの最中の小さな反発という認識になります。今週は豪ドルは93円台後半、NZドルは86円台後半の水準がそれぞれ下方の注目ポイント(サポート帯であり、もし割れると下方への動きが拡大する可能性が高まるポイント)と考えられます。(執筆者:為替王)
先週号では「EUR/USDのとりあえずの下落ターゲットは1.36台前半。ユーロ円については、とりあえず138円台」と明言しましたが、ともに予想が的中して、とても良かったと思います。
economic
2014-05-26 10:00