アジア「投資先トレンド」さらに移動か・・・ベトナムそしてカンボジア=中国メディア

 中国国営通信社の中国新聞社は26日付で「ベトナムへの投資に憂慮、企業の多数はカンボジア移転か」と題する記事を配信した。  13日にベトナムで中国企業や中国人を標的にした大規模な暴動が発生したことで、「中越の対立が長期化すれば、同様の事態が再発する可能性もある」として、中国系企業の間では、カンボジアへの移転を検討する例が加速しているという。  この流れが本格化すれば、これまで国内整備が遅れているとされていたカンボジアの投資環境の改善が、予想以上の速さで進む可能性もある。  日中関係の不安定化にともない、日本では「チャイナ・プラス・ワン」などの声が上がった。投資先/進出先としてベトナムも注目された。日本とベトナムの関係が悪化することはあまり考えられず、日本企業にとってベトナムは、中国企業ほど「居心地の悪い状態」になるとは考えられない。  しかし、国際的に見て新たな投資先としてカンボジアが浮上してくれば、日本企業はカンボジアに移転しないとしても、カンボジアの投資環境については知っておく必要がある。各企業の投資先の条件の違いは、企業活動のさまざまな面における競争力に関係してくるからだ。 **********  カンボジアとベトナムの違いとしては、まず国家規模の差がある。国土面積と人口については、以下の通りだ(数字はいずれも概数。以下同じ) ●国土面積 ベトナム :32万9000平方キロメートル カンボジア:18万1000平方キロメートル ●人口 ベトナム :9200万人 カンボジア:1400万人  各種経済指標についても、ベトナムがカンボジアを圧倒的に上回っている。国家規模だけでなく、ベトナム戦争を終結させ1976年には国家統一を実現させたベトナムと、1990年初頭まで混乱が続いたカンボジアの違いが出ていると言ってよい。 ●GDP(2013年) ベトナム :1700億米ドル カンボジア: 142億米ドル ●1人当たりGDP(同) ベトナム :1896米ドル カンボジア: 933米ドル ●貿易輸出額(同) ベトナム :1324億米ドル カンボジア:  51億米ドル ●貿易輸入額(同) ベトナム :1321億ドル カンボジア:  69億ドル  カンボジアは、交通インフラなどの問題点の他、多くの土地に地雷と不発弾が残っているという問題がある。都市部ではかつてに比べれば安全になったとされるが、まだ手つかずの地域もある。  電力事情についても問題が大きく、供給が不安定であるだけでなく、高額な電気料金も工場などの経営で大きな問題になる場合がある。  在カンボジアの中国系企業団体であるカンボジア中国商会の牛建軍副会長によると、カンボジアはに電力不足や交通インフラが未整備などの問題がある。さらに、人材が乏しいことも外資の進出に影響している。  牛副会長によると、中国はカンボジアにおいて多くの水力発電所の建設を支援している。2017年にはすべてで発電が始まる。中国はカンボジアにおける多くの道路建設にも参画している。「いずれは、経済発展のボトルネックも解消し、カンボジアは外資にとって理想的な土地になるでしょう」という。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
 中国国営通信社の中国新聞社は26日付で「ベトナムへの投資に憂慮、企業多数はカンボジア移転か」と題する記事を配信した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-05-27 13:30