フランスベッドHDは下値固め完了感、反発のタイミング

  介護・福祉関連用具のフランスベッドホールディングス <7840> の株価は、全般地合い悪化も影響して上値を切り下げたが、下値固め完了感を強めている。180円近辺が下値支持線となって、モミ合いレンジ下限から反発のタイミングだろう。   04年に純粋持株会社へ移行して、メディカルサービス事業(介護・福祉関連用具のレンタル・販売、介護予防の通所介護施設「悠々いきいき倶楽部」運営など)、インテリア健康事業(家庭用高級ベッド、医療・介護用ベッド、リハビリ商品など)、その他事業(日用品雑貨販売など)を展開している。   成長分野のシニア・シルバービジネスに経営資源をシフトして、医療・介護用電動リクライニングベッド・マットレス、高齢者向け「リハテック」ブランドの電動アシスト三輪自転車やハンドル型電動車いす、在宅・病院・福祉施設向け「見守りケアシステム」など、独自の新商品・新サービス投入を強化して介護・福祉用具レンタル市場でのシェア拡大戦略を推進している。さらに新規販売チャネル開拓で病院・施設向け取引も強化する方針だ。   5月15日に発表した前期(14年3月期)の連結業績は売上高が前々期比8.0%増の548億91百万円、営業利益が同37.0%増の27億99百万円、経常利益が同37.9%増の27億84百万円、純利益が同23.5%増の13億97百万円だった。配当予想は5月15日に前回予想から記念配当50銭の増額を発表して前々期比1円増配の年間5円(第2四半期末2円25銭、期末2円75銭)とした。   特別損失に日用品雑貨販売事業の事業構造改革費用を計上したが、介護・福祉市場の拡大や高額消費活発化なども追い風となり、メディカルサービス事業とインテリア健康事業が好調に推移して増収、大幅増益だった。   セグメント別に見ると、メディカルサービス事業は売上高が同4.2%増の293億82百万円、営業利益(連結消去前)が同15.8%増の20億82百万円だった。人員増強や営業拠点新設などレンタル市場向け営業強化、さらに「リハテック」ブランド商品の拡販、病院・福祉施設向け新商品投入などが寄与して増収増益だった。   インテリア健康事業は売上高が同14.9%増の216億72百万円、営業利益が同3.9倍の7億26百万円だった。消費者の高級志向の高まり、高性能・高付加価値の新製品の市場投入、さらに「リハテック」ブランド商品の拡販などが寄与して増収増益だった。その他事業は売上高が同1.7%増の38億35百万円、営業利益が32百万円の赤字(前々期は27百万円の利益)だった。日用品雑貨販売事業が低調だった。   今期(15年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比0.1%増の550億円、営業利益が同3.5%減の27億円、経常利益が同3.0%減の27億円、純利益が同0.2%増の14億円としている。配当予想は記念配当50銭を落として前期比50銭減配の年間4円50銭(第2四半期末2円25銭、期末2円25銭)とした。   インテリア健康事業で消費増税後の一時的な反動減を見込んでいるため、売上高は前期比横ばい、営業利益は微減益の見込みとしている。ただし介護・福祉市場の拡大を背景として、新商品の投入や「リハテック」ブランド商品の知名度向上なども寄与して上振れ余地があるだろう。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して上値を切り下げ、安値圏の概ね180円~190円近辺でモミ合う展開だ。足元では5月15日発表の今期営業微減益・減配見通しを嫌気する形で、5月21日に175円まで調整する場面があった。しかしすぐに切り返して180円台を回復している。下値固めが完了して調整のほぼ最終局面だろう。   5月27日の終値181円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円53銭で算出)は27~28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円50銭で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS165円85銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、180円近辺が下値支持線となって下値固め完了感を強めている。モミ合いレンジ下限から反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
介護・福祉関連用具のフランスベッドホールディングス<7840>(東1)の株価は、全般地合い悪化も影響して上値を切り下げたが、下値固め完了感を強めている。
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2014-05-28 07:30