メディアフラッグは下値切り上げ、中期成長力を評価して出直り
店舗覆面調査のメディアフラッグ <6067> (東マ)の株価は、4月の戻り高値684円から反落したが、3月安値540円水準に接近して反発の動きを強めている。下値切り上げの動きを継続しており、中期成長力を評価して出直り展開だろう。
店舗・店頭に特化して、流通・飲食チェーンや消費財・食品メーカーなどのフィールドマーケティングを支援する企業だ。店舗巡回(リアルショップサポート)で消費財・食品メーカーなどの店頭拡販強化を支援する営業支援事業、覆面調査(リアルショップリサーチ)で流通・飲食チェーンなどの店舗活性化を支援する流通支援事業、店舗・店頭状況をデータベース化する独自ソフトウェアのASP事業、コンビニエンスストアなどを運営するストア事業、13年10月に子会社化した和菓子製造販売事業などを展開している。覆面調査などに携わるメディアクルー登録数は14年2月時点で全国18.5万人に達している。
4年以内に売上高100億円という目標達成に向けて、M&Aも活用しながら小売・飲食店舗の受託運営事業、流通・小売企業に特化した再生事業、ASEANを中心とした海外事業の拡大戦略も積極推進している。13年8月関西地盤に推奨販売事業を展開するキャビックを子会社化、13年9月スポーツ関連フィールドマーケティング強化に向けて子会社K9を設立、13年10月和菓子製造販売の十勝とその子会社たちばなを子会社化(14年6月に十勝がたちばなを吸収合併予定)、13年11月事業再生コンサルティングの子会社O&Hを設立した。海外はインドネシアの財閥系大手流通チェーンから覆面調査導入のコンサルティングなどを受託した。中国ではメディアフラッグ上海が営業活動を強化している。
また5月8日に小型デジタルサイネージ市場のシェアNO.1企業であるシアーズを株式交換によって完全子会社化すると発表し、5月23日に株式交換条件の変更を発表した。株式交換実施日(効力発生日)7月1日予定に変更はない。
5月8日に発表した今期(14年12月期)第1四半期(1月~3月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.1倍の14億89百万円となり、営業利益が同34.8%増の55百万円、経常利益が同18.2%増の48百万円、純利益が同1.9%減の18百万円だった。営業支援事業、流通支援事業が好調に推移し、M&Aによる新規連結も寄与した。
セグメント別に見ると、営業支援事業は売上高が同72.8%増の5億79百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同9.9%増の74百万円だった。リアルショップサポートや推奨販売サービスの新規案件受注に加えて、フットサルコートの売上なども寄与した。流通支援事業は売上高が同21.7%増の2億03百万円、営業利益が同15.3%増の93百万円だった。地方銀行や高速道路サービスエリアでの店舗調査などが高水準だった。
ASP事業は新規顧客の獲得が寄与しして売上高が同0.6%増の13百万円、営業利益が同6.5倍の12百万円だった。ストア事業は沖縄料理店「古都首里」の閉店や大雪などの影響を受けて売上高が同5.5%増の1億86百万円、営業利益が0.6百万円の赤字だった。和菓子製造販売事業は年末年始の売上が好調に推移して売上高が5億05百万円、営業利益が12百万円だった。
通期連結業績見通しは前回予想(2月14日公表)を据え置いて売上高が前期比74.7%増の60億円、営業利益が同9.3%増の2億70百万円、経常利益が同1.6%増の2億50百万円、純利益が同11.9%増の1億50百万円としている。なお今期配当予想は未定としているが、好調な業績を勘案すれば前期の年間5円に対して増配の可能性があるだろう。
主力の営業支援事業と流通支援事業の好調が牽引して増収増益見込みだ。消費増税後の消費マインド喚起に向けた流通・飲食チェーンや消費財・食品メーカーの積極的なマーケティング活動も期待される。稼働店舗数は前期比19%増の30万店舗の計画で、主要株主である博報堂DYホールディングス <2433> など大手広告代理店経由の新規受注増加も寄与する。
営業支援事業と流通支援事業の稼働店舗数は増加基調であり、子会社化したキャビックや十勝の収益化も本格寄与して大幅増益が期待される。さらに積極的なM&Aの効果や、20年東京夏季五輪に向けたスポーツ用品メーカーの販促強化なども追い風として、中期成長期待が高まる。
株価の動きを見ると、4月2日の戻り高値684円から反落し、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げた。5月19日には547円まで調整する場面があった。しかし3月安値540円水準に接近して、足元では反発の動きを強めている。下値を確認して好業績見通しを再評価する動きだろう。
5月27日の終値580円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS35円47銭で算出)は16~17倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS206円97銭で算出)は2.8倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形だ。下値切り上げの動きを継続しており、中期成長力を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
店舗覆面調査のメディアフラッグ<6067>(東マ)の株価は、4月の戻り高値684円から反落したが、3月安値540円水準に接近して反発の動きを強めている。
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2014-05-28 09:00