アドアーズは5月安値から切り返しの動き、反発のタイミング

  アミューズメント事業や不動産事業のアドアーズ <4712> (JQS)の株価は全般地合い悪化などで軟調展開が続いた。5月13日発表の今期(15年3月期)減益見通しが嫌気された可能性もあるだろう。ただし足元では5月安値から切り返して調整一巡感を強めている。反発のタイミングだろう。   13年2月に、親会社Jトラスト <8508> グループで戸建て住宅分譲や商業建築など展開するキーノート、アミューズメント施設向け景品製作・販売など展開するブレイクを子会社化し、Jトラストグループ内で建築・不動産事業とアミューズメント事業の中核を担う位置付けとなった。Jトラストとの連携を強化して成長を目指す戦略だ。アミューズメント事業ではメダルゲームジャンルを注力分野として収益力を強化し、不動産事業では新設のアセット部門を拡大する方針だ。   5月13日に発表した前期(14年3月期)の連結業績(5月12日に増額修正)は、売上高が前々期比15.1%増の230億10百万円、営業利益が同3.1倍の13億18百万円、経常利益が同3.1倍の11億68百万円、純利益が同5.7倍の9億43百万円だった。配当予想は同1円増配の年間2円(期末一括)とした。   アミューズメント事業では収益性の高いメダルゲームジャンルが好調に推移し、不動産アセット部門においては流動化不動産の売却によって収益が想定以上となった。カプセル自販機運営受託解消に伴う特別利益計上に加えて、閉店等による費用が想定を下回ったことも寄与した。   セグメント別の動向を見ると、アミューズメント事業は売上高が同1.1%増の166億13百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同35.3%増の13億15百万円だった。トータルの既存店売上高は同96.3%だったが、新規顧客にとっても入りやすい店舗づくりや、メダルゲームジャンルとプライズゲームジャンルへの注力が奏功して、既存店客数が安定的に同100%を超えた。利益面では不採算店の閉店も寄与した。ブレイクのアミューズメント景品販売も堅調だった。期末店舗数は当社11店舗閉鎖およびブレイク1店舗閉鎖で56店舗となった。   不動産事業は売上高が同3.6倍の49億87百万円、営業利益が同6.4倍の5億04百万円だった。不動産アセット部門が流動化不動産取り扱いなどで立ち上げ初年度から好調に推移し、想定を大幅に上回った。建築事業は売上高が同34.7%減の14億07百万円、営業利益が同51.6%増の75百万円だった。キーノートへ事業集約した効果もあり、下期にパチンコホール等の大型案件を受注した。   今期(15年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比4.3%増の240億円、営業利益が同31.7%減の9億円、経常利益が同35.8%減の7億50百万円、純利益が同47.0%減の5億円としている。配当予想は前期と同額の年間2円(期末一括)とした。   アミューズメント事業、および不動産事業の一戸建て分譲部門での消費増税の影響に加えて、前期の収益を大幅に押し上げた不動産事業の不動産アセット部門の収益平準化を見込んで保守的な計画のようだ。ただし上振れ余地があるだろう。   アミューズメント施設の既存店売上高(前年比、速報値)を見ると、14年4月度は92.3%だった。主力のメダルゲームジャンルは顧客単価も若干持ち直して概ね堅調だったが、他ジャンルは消費増税の影響も受けたようだ。なお消費増税による売上減を除いた実質既存店前年比は95.0%としている。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して反発力が鈍く、水準切り下げの軟調展開が続いている。5月20日には123円まで下押して、3月安値132円、2月安値131円を割り込んだ。今期減益見通しが嫌気された可能性もあるだろう。ただし足元では140円近辺まで切り返して調整一巡感を強めている。   5月27日の終値139円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円59銭で算出)は39倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS78円77銭)は1.8倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、5月安値で下ヒゲを付けた。調整のほぼ最終局面だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
アミューズメント事業や不動産事業のアドアーズ<4712>(JQS)の株価は全般地合い悪化などで軟調展開が続いた。5月13日発表の今期(15年3月期)減益見通しが嫌気された可能性もあるだろう。
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2014-05-28 09:15