アールテック・ウエノは急反発し底打ち感、中期成長力評価し出直り

  創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ <4573> (JQS)の株価は全般地合い悪化も影響して軟調展開が続いたが、足元で急反発している。5月の1000円割れ水準の安値圏で底打ちして強基調に転換した可能性があり、中期成長力を評価して出直り展開だろう。   緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬AMITIZA(アミティーザ)カプセル受託製造を主力としている。米スキャンポ社は、AMITIZAカプセルの日本と欧州での販売承認取得や米国での追加新薬承認取得、さらにレスキュラ点眼薬の米国上市など販売地域や適応の拡大戦略を推進している。   新薬開発は網膜色素変性、ドライアイ、アトピー性皮膚炎関連を中心に進めている。網膜色素変性関連の点眼液オキュセバ(開発コードUF-021)は第3相臨床試験を開始し、重症ドライアイに対する遺伝子組み換え人血清アルブミン(RU-101)点眼液は米国で第1相および第2相を合わせた臨床試験を開始している。さらに眼疾患領域では糖尿病性白内障関連(RTU-007)、皮膚疾患領域では男性型脱毛症関連(RK-023)、アトピー性皮膚炎関連(RTU-1096)などの開発を進めている。   5月14日に発表した前期(14年3月期)業績(非連結)(13年7月16日に増額修正)は、売上高が前々期比23.4%増の56億18百万円、営業利益が同80.9%増の14億19百万円、経常利益が同65.9%増の14億77百万円、純利益が同89.1%増の10億62百万円だった。AMITIZAカプセルの好調が牽引し、研究開発の増加などを吸収して大幅増収増益だった。売上高・各利益とも計画を上回った。配当予想(2月12日に増額修正)は同10円増配の年間25円(期末一括)とした。   事業部門別の売上高は、レスキュラ点眼液が同18.1%減の14億83百万円だった。国内は13億82百万円で同2.6%増収だったが、前々期に再上市した北米向け出荷が、前々期の受注残だけにとどまったため1億01百万円で同78.2%減収だった。   AMITIZAカプセルは同54.1%増の39億96百万円だった。北米向けが販売提携先の武田薬品工業 <4502> との納入価格改定が寄与して同35.0%増の31億43百万円となり、国内も同3.2倍の8億52百万円と好調に推移した。研究開発支援サービスは同6.4%減の1億38百万円だった。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比2.6%増の57億63百万円、営業利益が同0.8%増の14億31百万円、経常利益が同2.9%減の14億34百万円、純利益が同5.5%減の10億03百万円としている。研究開発費増加などで営業利益は微増にとどまるが、国内でのAMITIZAカプセルの好調が牽引して増収見込みだ。配当予想は前期と同額の年間25円(期末一括)とした。   レスキュラ点眼薬は、国内で納品数量減少や薬価改定(1.6%引き下げ)の影響で減収見込みとしている。北米市場では再上市に係るSAG社からの受注分の出荷が完了しているため、現時点では今期業績に織り込んでいないとしている。AMITIZAカプセルは、北米市場では競合品の影響を受けて減収見込みだが、国内市場では引き続き好調に推移して増収見込みだ。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して水準切り下げの軟調展開が続いたが、5月21日に付けた安値945円から急反発した。5月27日には1182円まで上値を伸ばす場面があった。1000円割れ水準の5月安値圏で底打ちした可能性があるだろう。   5月27日の終値1095円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS52円01銭で算出)は21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS473円61銭で算出)は2.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、週足チャートで見ても13週移動平均線突破の動きを強めている。底打ちして強基調に転換した可能性があり、中期成長力を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>(JQS)の株価は全般地合い悪化も影響して軟調展開が続いたが、足元で急反発している。
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2014-05-28 09:15