キーウェアソリューションズは底打ち、今期収益改善を評価して出直り

  システム開発のキーウェアソリューションズ <3799> (東2)の株価は軟調展開が続いたが、5月20日安値から急反発した。売りが一巡して底打ちした可能性があり、今期(15年3月期)の収益改善を評価して出直り展開だろう。   システム受託開発事業(公共システム開発、ネットワークシステム開発)、経営とITの総合コンサルティング事業(システムインテグレーション、ITサービス、サポートサービス)、その他事業(機器販売など)を展開している。筆頭株主のNEC <6701> との連携によって医療分野や流通・サービス業分野へ事業領域を広げ、ERP関連やセキュリティ関連も強化している。   主要顧客はNECグループ向けが約4割を占め、NTT <9432> グループ、JR東日本 <9020> グループ、三菱商事 <8058> グループ、日本ヒューレット・パッカードなどが続いている。中期的には、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の導入や、20年東京夏季五輪に向けたインフラ投資などで、情報サービス産業の受注拡大が期待されている。   5月14日に発表した前期(14年3月期)連結業績(3月13日に減額修正)は売上高が前々期比5.3%増の172億円、営業利益が同31.3%減の3億68百万円、経常利益が同30.0%減の3億67百万円、純利益が同58.7%減の2億40百万円だった。一部不採算案件の発生が影響して減益だった。配当予想は前々期と同額の年間10円(期末一括)とした。   セグメント別に見ると、システム受託開発事業の公共システム開発は売上高が同1.4%減の50億32百万円、営業利益が同51.0%減の92百万円だった。通信系の売上減少に加えて、官公庁系の一部不採算案件の発生が影響した。ネットワークシステム開発は売上高が同20.8%増の20億49百万円、営業利益が同3.9倍の1億02百万円だった。航空宇宙系、ネットワーク監視系が好調に推移した。   経営とITの総合コンサルティング事業のシステムインテグレーションは売上高が同25.3%増の21億78百万円、営業利益が36百万円の赤字(前々期は33百万円の赤字)だった。運輸系の大型リプレイス案件、医療系の電子カルテ案件などが好調だったが、運輸系の一部不採算案件の発生で営業赤字だった。ITサービスは売上高が同0.5%増の41億56百万円、営業利益が同46.6%減の1億51百万円だった。高収益案件の売上減少で採算が悪化した。   サポートサービスは売上高が同16.1%増の9億79百万円、営業利益が3百万円(同36百万円の赤字)だった。システムアウトソーシング業務の新規受注などが寄与して黒字化した。その他事業は売上高が同0.4%減の28億04百万円、営業利益が同28.1%減の53百万円だった。   今期(15年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比4.7%増の180億円、営業利益は非開示で、経常利益が同36.2%増の5億円、純利益が同70.8%増の4億10百万円としている。受注が好調に推移し、不採算案件が一巡して収益が改善する見込みだ。配当予想は前期と同額の年間10円(期末一括)とした。   株価の動きを見ると、3月13日発表の前期業績見通し減額修正も嫌気して水準を切り下げた。5月14日発表の今期増益見通しを好感する場面があったが、地合い悪化も影響して買いが続かず5月20日に503円まで下押す場面があった。しかし5月20日安値から5月26日の628円まで急反発した。売りが一巡し、今期増益見通しを評価して底打ちした可能性があるだろう。   5月27日の終値627円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円43銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS705円93銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して強基調へ転換の動きを強めている。今期の収益改善を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム開発のキーウェアソリューションズ<3799>(東2)の株価は軟調展開が続いたが、5月20日安値から急反発した。
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2014-05-28 09:30