ノアは5月19日安値から急反発、一旦は底打ちの可能性
LED照明機器商社のノア <3383> (名セ)の株価は軟調展開が続いたが、急落して付けた5月19日安値から急反発の動きを強めている。一旦は底打ちした可能性があるだろう。
LED照明機器の販売を主力として、太陽光パネルなど環境商材の販売も展開している。主力のLED照明機器事業では、得意とする高所照明市場で街路灯や防犯灯など官公庁入札案件への取り組みを強化している。
5月14日に発表した今期(14年6月期)第3四半期累計(7月~3月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比30.8%減の1億72百万円、営業利益が54百万円の赤字(前年同期は65百万円の赤字)、経常利益が55百万円の赤字(同66百万円の赤字)、純利益が57百万円の赤字(同42百万円の赤字)だった。
競争激化による単価下落、新規顧客開拓の遅れ、入札案件の獲得不振でLED照明機器事業が伸び悩み、大幅減収だった。環境商材拡充を目的とした太陽光パネルなどの販売も本格化に至っていないようだ。販管費削減などで営業赤字幅は前年同期に比べてやや縮小したが、純利益については減損損失計上も影響した。
通期見通しは前回予想(2月19日に新たな見通しを公表)を据え置いて売上高が前期比5.5%増の3億20百万円、そして営業利益が61百万円の赤字(前期は94百万円の赤字)、経常利益が61百万円の赤字(同95百万円の赤字)、純利益が61百万円の赤字(同71百万円の赤字)としている。
第3四半期累計末時点で40百万円の債務超過となり、継続企業の前提に関する重要事象等が注記されている。当該状況を解消すべく、LED照明機器販売事業の拡販、新たな環境関連商材の販売、新規事業の開発といった重点課題への取り組みに加えて、新株予約権の行使および第三者割当増資などによる資金調達で、債務超過を早期に解消していく方針としている。
14年2月の月間平均上場時価総額または月末上場時価総額が所要額(14年3月まで2億円から1.8億円に変更して適用)未満になった。このため、14年5月末までに名古屋証券取引所へ「事業の現状、今後の展開、事業計画の改善その他名古屋証券取引所が必要と認める事項を記載した書面」を提出のうえ、当該情報の開示を行う予定で準備を進めている。
今後の対応としては、筆頭株主であるNR投資事業組合に付与している新株予約権の当事業年度内での行使を要請する方針だ。そして5月14日には、NR投資事業組合に付与している新株予約権2万株の行使条件に関して、強制取得条件判定基準を下回ったため、新株予約権の強制行使についての見通しをリリースした。5月14日の当社株式終値が793円となって強制行使判定水準額となる809円を下回ったことにより、本新株予約権の強制行使条件が満たされた。したがってNR投資事業組合より行使請求を受ける予定としている。
本新株予約権が正式に行使された場合、NR投資事業組合の所有株式数の割合が50%を超えて親会社として認定される。ただし債務超過の解消には至らないため、引き続きLED照明機器販売事業の拡販、新たな環境関連商材の販売、新規事業の開発といった重点課題に取り組み、収益力の向上を図るとしている。
株価の動きを見ると軟調展開が続き、4月下旬に1500円近辺のモミ合いから下放れの形となり、5月12日に1000円台を割り込み、5月19日には705円まで下押す場面があった。しかし5月19日安値から切り返しの動きとなり、5月23日に終値で800円台を回復し、さらに5月27日には前日比76円(9.43%)高の882円まで急伸する場面があった。5月27日の終値は879円だった。一旦は底打ちした可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
LED照明機器商社のノア<3383>(名セ)の株価は軟調展開が続いたが、急落して付けた5月19日安値から急反発の動きを強めている。一旦は底打ちした可能性があるだろう。
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2014-05-28 09:30