山下医科器械は増額修正を好感して急伸、13年5月高値目指す
医療機器商社の山下医科器械 <3022> の株価は、5月16日発表の今期(14年5月期)業績・配当予想の増額修正を好感して急伸した。強基調に転換して13年5月高値を目指す展開だろう。
九州を地盤とする医療機器商社である。医療機器の販売・メンテナンス、医療材料・消耗品などの販売を主力として、子会社イーピーメディックは整形インプラントを製造販売している。九州最大の需要地である福岡県での市場シェア拡大を最重点戦略として、医療機関向けSPD(病院医療材料管理業務)の契約施設数増加に対応するため13年7月に福岡SPDセンターを新設し、鳥栖SPDセンターとの2拠点体制とした。
13年12月に判明した従業員による不正行為に関して、2月28日に独立行政法人国立病院機構から指名停止および一般競争参加資格降格の処分を受けた。当該処分の対象となる施設の前期(13年5月期)売上高は全社売上高の1割強である。そして4月17日には「再発防止策実施状況(その1)」、5月16日には「再発防止策実施状況(その2)」を発表している。再発防止と信頼回復に向けて、実施状況については今後も随時報告するとしている。
5月16日に今期(14年5月期)連結業績と配当予想の増額修正を発表した。売上高は35億98百万円増額して前期比8.1%増の509億28百万円、営業利益は3億86百万円増額して同53.0%増の8億08百万円、経常利益は2億90百万円増額して同32.9%増の7億88百万円、純利益は2億25百万円増額して同57.3%増の5億05百万円とした。大幅な増額修正で、減益予想から一転して大幅増益見通しとなった。配当予想は前回予想から17円増額して年間50円(期末一括)とした。前期との比較では2円増配となる。
不祥事に伴って独立行政法人国立病院機構から受けた指名停止の影響があったが、主要取引先の急性期病院の建て替えや設備投資に伴う機器更新案件の受注が想定以上に高水準に推移し、CT-MRI、内視鏡システム、超音波診断装置など検査機器類の販売が想定以上に増加した。低浸襲治療分野における取扱症例数の増加やSPD契約施設の増加で、医療機器消耗品や内視鏡処置用医療材料(IVE)などの販売も増加した。増収効果による売上総利益の増加で営業増益、経常増益となり、純利益については過年度訂正に伴う法人税還付が発生する見込みだ。
来期(15年5月期)については、診療報酬・医療材料価格改定の影響はあるが、急性期病院の建て替えや設備投資に伴う機器更新需要が引き続き高水準に推移し、SPD契約施設の増加も寄与して好業績が期待される。
株価の動きを見ると、3月安値1465円で底打ちして強基調に転換した。さらに5月16日発表の今期業績・配当予想の増額修正も好感して5月19日に2120円まで急伸し、13年7月の戻り高値2107円を上抜く場面があった。その後は利益確定売りで一旦反落したが、下値切り上げの展開は続いている。好業績を評価する動きだろう。
5月27日の終値1930円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS198円05銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.6%近辺、実績PBR(訂正後の前期実績連結BPS2043円57銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると1600円~1800円近辺のボックスレンジを一気に上放れた形だ。強基調に転換して13年5月高値2358円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器商社の山下医科器械<3022>(東1)の株価は、5月16日発表の今期(14年5月期)業績・配当予想の増額修正を好感して急伸した。強基調に転換して13年5月高値を目指す展開だろう。
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2014-05-28 09:45