ピックルスコーポレーションは急反発して戻り歩調、13年11月高値を目指す
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション <2925> (JQS)の株価は、4月の直近安値圏から急反発して戻り歩調だ。野菜価格高騰という一過性要因のマイナス影響も一巡した。15年2月期増収増益見通しを評価して13年11月高値を目指す展開だろう。
漬物、浅漬・キムチ製品、惣菜など漬物製品の最大手メーカーである。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が大幅に向上し、独自研究の植物性乳酸菌「ピーネ12」を使用した「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」や「トマトキムチ」「ご飯がススムおかずのり」などの新製品投入、さらに成長市場である惣菜製品の商品開発も強化している。セブン&アイ・ホールディングス <3382> などの量販店・コンビニが主要取引先であり、ブランド力向上や新製品投入効果で中期成長期待は強い。
事業エリア拡大や供給能力増強に向けた動きも加速している。中・四国エリアでの事業拡大に向けて、広島新工場(ピックルスコーポレーション関西)が13年6月から製品出荷を開始した。また北海道エリアでの事業拡大に向けては、既存の食品工場を買い取った札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)が14年6月稼働する。
今期(15年2月期)の連結業績見通し(4月15日公表)は売上高が前期比6.4%増の273億円、営業利益が同32.5%増の11億30百万円、経常利益が同26.0%増の12億25百万円、純利益が同21.3%増の7億38百万円、そして配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)としている。
浅漬・キムチや惣菜の販売が引き続き好調に推移する。品目別売上高の計画は浅漬・キムチが同4.0%増の119億65百万円、惣菜が同22.3%増の58億円、ふる漬が同5.9%減の5億78百万円、漬物が同1.9%増の89億56百万円で、販路別の計画は量販店・問屋等が同6.5%増の201億円、コンビニが同6.2%増の44億50百万円、外食他が同6.4%増の27億50百万円としている。
利益面では、前期の営業減益要因となった天候不順による野菜価格高騰という一過性のマイナス要因が一巡し、テレビCMなど広告宣伝費の集中投入も一巡する。増収効果による売上総利益の増加、さらに原価改善効果、広島新工場の効率改善効果なども寄与して増収、大幅営業増益の見込みだ。
キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓、新製品の開発や他の食品メーカーとのコラボレーション、事業エリア拡大、供給能力増強、契約栽培の拡大による原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直しなどの重点戦略で中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、4月11日直近安値665円から急反発して800円台を回復した。4月15日発表の自己株式取得も好感して、2月下旬~4月上旬の直近安値圏670円~720円近辺でのモミ合いレンジから上放れの形となった。その後も下値を切り上げて戻り歩調の展開だ。今期大幅営業増益見通しを評価する動きだろう。
5月28日の終値829円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円54銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1146円90銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると800円台回復後は25日移動平均線がサポートラインとなった。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、13週移動平均線も上向きに転じた。強基調に転換した形であり、指標面の割安感も支援材料として13年10月高値995円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、4月の直近安値圏から急反発して戻り歩調だ。野菜価格高騰という一過性要因のマイナス影響も一巡した。
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2014-05-29 09:15