エスアールジータカミヤは上放れのタイミング、今期増収増益を評価
建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ <2445> (東2)の株価は、1月高値から反落後はやや上値が重くなり、高値圏でのボックス展開が続いている。ただし足元では煮詰まり感を強めている。今期(15年3月期)増収増益見通しを評価して上放れのタイミングだろう。
建築・土木・橋梁用仮設機材や、子会社ホリーの太陽光パネル設置架台などの販売・レンタル事業を展開している。戦略商品として、施工性に優れて作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販を推進している。14年4月には土木・建築用仮設資材のアサヒ工業(大阪市)を子会社化した。同社が豊富な実績を持つ海洋土木・港湾分野への事業展開でシナジー効果を高める方針だ。
5月9日に発表した前期(14年3月期)連結業績(13年11月8日に2回目の増額)は売上高が前々期比15.4%増の324億43百万円、営業利益が同90.1%増の30億51百万円、経常利益が同93.5%増の30億06百万円、純利益が同2.2倍の17億68百万円だった。建設工事増加を背景として需要が高水準に推移し、2回目の増額修正値を上回る大幅増収増益だった。配当予想は年間13円(第2四半期末5円、期末8円)とした。13年4月1日付けの株式2分割を考慮すると実質的に3円増配となる。
セグメント別に見ると、販売事業は売上高(外部顧客向け)が同23.8%増の153億83百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同29.7%増の20億45百万円だった。建設関連は社会インフラ維持補修工事の増加などを背景としてクランプやクサビ式住宅用足場などの需要が高水準で、環境関連はソーラー向け太陽光パネル設置架台の販売・工事が好調に推移した。
レンタル事業は売上高が同8.8%増の170億59百万円、営業利益が同2.0倍の20億19百万円だった。建設関連は人手不足の影響で土木・橋梁用仮設機材の出荷に立ち遅れがあったが、学校関係の耐震補強工事や首都圏を中心とした再開発工事などで建築用仮設資材の出荷が高水準だった。移動昇降式足場(リフトクライマー)も超高層マンションの大規模修繕工事を中心に堅調に推移した。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比11.1%増の360億30百万円、営業利益が同25.8%増の38億40百万円、経常利益が同23.1%増の37億円、純利益が同25.9%増の22億27百万円としている。配当予想は前期比7円増配の年間20円(第2四半期末7円、期末13円)とした。
今期からから本格寄与する新名神高速道路関連など受注残は高水準であり、レンタル資産の稼働率向上・効率的運用、販管費圧縮などの効果も寄与する。震災復興、社会インフラ補修・更新、首都圏を中心とした都市再開発、学校や高層マンションの耐震補強、20年東京夏季五輪などを追い風として事業環境は良好であり、中期的に収益拡大基調だろう。
5月20日には中期経営計画(15年3月期~17年3月期)を発表した。基本方針をグループ経営基盤の強化、高収益体制の確立、新たな成長事業の創出として、目標数値には最終年度17年3月期の売上高450億円、営業利益52億円、経常利益50億円、純利益31億円、経常利益率10%以上、自己資本比率35%、ROE2桁台維持などを掲げている。
株価の動きを見ると、1月高値1763円から反落後は全般地合い悪化も影響して上値が重くなり、ボックス展開の形となった。4月中旬以降は1400円~1500円近辺のレンジで推移している。5月9日発表の今期増収増益見通しを好感する動きも限定的だった。ただし下値は限定的であり、煮詰まり感も強めている
5月28日の終値1446円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円82銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS426円48銭で算出)は3.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を挟んで三角保ち合いの形だが、煮詰まり感を強めて上放れのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ<2445>(東2)の株価は、1月高値から反落後はやや上値が重くなり、高値圏でのボックス展開が続いている。
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2014-05-29 09:15