インテリジェントウェイブは来期(15年6月期)の収益改善期待で出直り

  システム開発のインテリジェントウェイブ <4847> (JQS)の株価は安値圏でのボックス展開だったが、足元ではレンジ下限から反発の動きを強めている。今期(14年6月期)利益見通しを減額修正したが、主力事業での不採算プロジェクト発生の影響が一巡して、来期(15年6月期)は一段の収益改善が期待される。出直り展開だろう。   大日本印刷 <7912> の連結子会社で、金融機関向けカードビジネスのフロント業務、システムソリューション業務、セキュリティシステム業務、その他業務(パッケージ製品販売などの新規事業分野)を展開している。クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・保守サービスが収益柱だ。   中期的には、マイナンバー制度導入に伴う開発案件などの受注増加が期待され、フロント業務関連から精算システムなどの基幹業務関連への領域拡大、ビッグデータ関連への参入なども目指している。14年2月にはジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携した。   新規事業では自社開発コミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化する。口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が簡単な質問に自動応答するシステムで、企業のウェブサイトの満足度を高めるツールとして、すでに全日本空輸のウェブサイト「よくある質問」ページにQ&AナビゲーターAmy(エイミー)として導入されている。親会社の大日本印刷との営業連携強化で受注拡大が期待される。   5月8日に発表した今期(14年6月期)連結業績は、売上高が前年同期比12.2%増の50億37百万円、営業利益が52百万円の黒字(前年同期は7億49百万円の赤字)、経常利益が74百万円の黒字(同7億42百万円の赤字)、純利益が20百万円の黒字(同7億41百万円の赤字)だった。ソフトウェア開発業務でのコスト管理強化の効果で営業損益が黒字化した。   セグメント別の動向を見ると、カードビジネスのフロント業務は売上高が同28.1%増の34億43百万円、営業利益(全社費用等調整前)が3億62百万円の黒字(同5億20百万円の赤字)だった。売上面ではクレジット会社向けのシステム開発受託、システム保守およびハードウェア販売が好調に推移した。利益面では第1四半期(13年7月~9月)に不採算開発プロジェクト発生による経費増加の影響があったが、第3四半期累計では営業黒字化した。   システムソリューション業務は、売上高が同10.4%減の12億95百万円と減収だったが、営業利益は39百万円の黒字(同64百万円の赤字)に改善した。セキュリティシステム業務は、売上高が同17.9%減の2億28百万円と減収で、営業利益が1億83百万円の赤字(同50百万円の赤字)と赤字幅が拡大した。その他は売上高が同7.6%減の70百万円と減収で、営業利益が1億65百万円の赤字(同1億13百万円の赤字)と赤字幅が拡大した。   通期連結業績見通しは4月23日に売上高を増額、利益を減額修正して、売上高が前期比10.7%増の65億円、営業利益が1億70百万円の黒字(前期は6億77百万円の赤字)、経常利益が1億90百万円の黒字(同5億87百万円の赤字)、純利益が90百万円の黒字(同3億49百万円の赤字)としている。利益を減額修正したが、黒字化見通しで改善基調に変化はないだろう。   クレジットカード業界ではシステム更新、ハードウェア置き換え、ブランドプリペイドカードやモバイル端末決済など新たな決済サービス提供に向けた投資が高水準であり、売上高に関してはクレジット会社向けシステム開発受託、システム保守およびハードウェア販売が好調で期初計画を上回る。カードビジネスのフロント業務の通期売上高の計画は、前回予想の32億10百万円から今回予想の40億50百万円に増額した。一方でセキリュティシステム業務とその他業務の売上高が期初計画を下回る見込みとなり、利益も減額修正した。   ただし不採算開発プロジェクト発生による外注費増加がほぼ収束したため、カードビジネスのフロント業務の営業損益改善基調に変化はないようだ。クレジットカード・金融業界のシステム更新需要は高水準であり、来期(15年6月期)は一段の収益改善が期待される。   株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、全般地合い悪化も影響して安値圏250円~280円近辺のレンジでのボックス展開が続いている。5月21日には239円まで調整する場面があった。ただしすぐに切り返して、足元では260円台に戻して反発の動きを強めている。ボックスレンジ下限から反発した形だろう。   5月29日の終値265円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円42銭で算出)は77倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS168円83銭で算出)は1.6倍近辺である。足元の反発で日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。ボックスレンジ下限から反発して強基調へ転換する動きのようだ。来期の収益改善を期待して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム開発のインテリジェントウェイブ<4847>(JQS)の株価は安値圏でのボックス展開だったが、足元ではレンジ下限から反発の動きを強めている。
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2014-05-30 07:30