建設技術研究所の株価は戻り一服だが収益拡大を評価して出直り
建設コンサルタント大手の建設技術研究所 <9621> の株価は、3月高値から反落して足元は戻り一服の展開となった。しかし1000円近辺が下値支持線となって下げ渋りの動きを強めている。中期的に事業環境は良好であり、収益拡大基調を評価する流れに変化はなく、短期調整が一巡して出直り展開だろう。
総合建設コンサルタントの大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みを強化している。
13年9月には農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて子会社CTIフロンティアを立ち上げた。14年4月には太陽光発電事業に着手した。釜石市が公募した「釜石市復興公営住宅屋根貸しによる太陽光発電事業」の事業者として選定され、15年3月から発電開始予定としている。
今期(14年12月期)の連結業績見通しについては前回予想(2月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比11.2%増の405億円、営業利益が同18.5%増の18億円、経常利益が同15.9%増の19億円、純利益が同12.0%増の11億円としている。震災復興関連業務が設計段階から施工段階に移行するため受注高は同8.3%減の395億円の計画としているが、業務効率化も寄与して増収増益見込みだ。
第1四半期(1月~3月)の連結業績は前年同期比53.4%増収となり、各利益は黒字化した。受注残高は高水準であり、通期の会社予想は保守的な印象が強い。通期業績の上振れ余地があるだろう。防災・減災関連、老朽化インフラ補修・更新関連、都市計画関連、そして20年東京夏季五輪関連など建設ビッグプロジェクトが目白押しであり、中期的にも事業環境は良好で収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、3月31日の高値1233円から反落して、足元は概ね1000円~1100円近辺で戻り一服の展開となった。地合い悪化も影響して5月20日に995円、5月21日に998円まで調整する場面があったが、終値では1000円台を維持した。1000円近辺が下値支持線となって下げ渋る形だ。
5月29日の終値1005円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS77円79銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1504円86銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、1000円近辺が下値支持線となりそうだ。収益拡大基調を評価する流れに変化はなく、調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は、3月高値から反落して足元は戻り一服の展開となった。
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2014-05-30 09:00