ソフトクリエイトHDは底打ちの可能性、成長力を評価して反発
ECサイト構築ソフトのソフトクリエイトホールディングス <3371> の株価は、全般地合い悪化も影響して安値圏でのモミ合い展開が続いたが、5月20日に付けた直近安値で底打ちした可能性がありそうだ。ネット通販市場の拡大が追い風であり、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。
ECソリューション事業(ECサイト構築ソフト「ecbeing」の販売からECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発など)、物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。
顧客のEC事業立ち上げ時の戦略コンサルティングから、ECサイト構築・運用支援、さらにリスティング広告・SEO対策などのプロモーションサービスまで総合的なサービスを提供していることが強みだ。ECサイト構築実績は前々期(13年3月期)までの累計で国内断トツ首位の750社超に達している。
ECサイト構築実績の積み上げに伴ってストック型収益が拡大基調であり、Webプロモーション(ネット広告)分野などデジタルマーケティング市場にも積極展開する方針だ。アライアンス戦略では13年5月に日本ユニシス <8056> と資本・業務提携、13年9月に東芝テック <6588> と業務提携した。
5月9日に発表した前期(14年3月期)の連結業績は、売上高が前々期比19.6%増の120億21百万円、営業利益が同34.1%増の14億68百万円、経常利益が同19.8%増の15億01百万円、純利益が同18.3%増の7億63百万円で、計画を上回る増収増益だった。配当予想は年間17円(第2四半期末8円50銭、期末8円50銭)とした。13年7月1日付の株式3分割を考慮すると実質的に2円増配となる。
ECサイト構築ビジネスでの新規顧客開拓が進み、ストック型収益が拡大した。物品販売ではウインドウズXPのサポート終了に伴う買い替え需要も寄与した。増収効果で開発費、広告宣伝費、人件費などの先行投資負担、さらにデータセンター移転関連の特別損失計上を吸収して大幅増収増益だった。
セグメント別に見ると、ECソリューション事業は売上高が同17.3%増の53億20百万円、経常利益(全社費用等調整前)が同19.4%増の11億80百万円だった。中堅・大手優良企業のECサイト構築需要の増加に伴って、ECサイト構築ソフト「ecbeing」の販売やカスタマイズ、リスティング広告・SEO対策のプロモーションサービスなどが順調に増加した。
システムインテグレーション事業は売上高が同6.9%増の24億円と増収だったが、受託開発の減少で経常利益は同13.2%減の8億23百万円だった。物品販売事業はウインドウズXPサポート終了に伴うパソコン買い替え需要が寄与して売上高が同31.7%増の43億円、経常利益が同40.7%増の3億22百万円だった。
今期(15年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比4.3%減の115億円、営業利益が同2.2%増の15億01百万円、経常利益が同0.6%増の15億10百万円、純利益が同4.8%増の8億円としている。配当予想は同1円増配の年間18円(第2四半期末9円、期末9円)とした。
物品販売事業でのウインドウズXPサポート終了に伴う買い替え需要の反動減などで減収見込み、開発費、広告宣伝費、人件費の増加などで営業微増益見込みとしている。ただしECソリューション事業はEC市場拡大を背景にECサイト構築需要が増加し、さらにネット広告市場拡大でデジタルマーケティングビジネスが拡大する。今期業績見通しの上振れ余地があるだろう。EC市場は拡大基調であり、国内断トツ首位のECサイト構築実績を武器として中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、1月高値1169円から反落後は全般地合い悪化も影響して水準を切り下げ、3月以降は概ね800円~850円近辺のレンジでモミ合う展開が続いている。足元では5月20日に740円まで下押す場面があった。しかしすぐに切り返して800円台に戻した。底打ちした可能性があるだろう。
5月29日の終値811円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円55銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS419円95銭で算出)は1.9倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、5月の直近安値で長い下ヒゲを付けた。底打ちした可能性があり反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ECサイト構築ソフトのソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)の株価は、全般地合い悪化も影響して安値圏でのモミ合い展開が続いたが、5月20日に付けた直近安値で底打ちした可能性がありそうだ。
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2014-05-30 09:00