日本エンタープライズは売り一巡、調整の最終局面
コンテンツ制作・配信の日本エンタープライズ <4829> の株価は、5月20日発表の今期(14年5月期)業績見通しの減額修正で下押す場面があったが、足元では下げ渋り感を強めている。売りが一巡して調整のほぼ最終局面だろう。
コンテンツ配信などのコンテンツサービス事業と、広告関連や企業向けソリューションなどのソリューション事業、そして中国ではチャイナテレコムの携帯電話販売店運営と電子コミック配信サービスを展開している。配信コンテンツを自社制作して「権利を自社保有する」ビジネスモデルが基本戦略だ。13年3月には音声通信関連ソフトウェア開発のandOneを子会社化した。
14年4月には子会社HighLabを設立し、ネイティブアプリを主としたスマートフォンゲームの開発を行うとともに、ライフスタイルアプリとの相互連携によるコンテンツプラットフォームへの発展を目指している。
5月20日に今期(14年5月期)の連結業績見通しの減額修正と、配当の増額修正を発表した。
今期の連結業績見通しは前回予想(12月26日に投資有価証券売却益計上で純利益を増額)に対して、売上高を4億90百万円減額して前期比9.1%増の45億10百万円、営業利益を1億65百万円減額して同4.6%減の3億60百万円、経常利益を1億40百万円減額して同7.9%減の3億60百万円、純利益を1億54百万円減額して同17.2%増の4億15百万円とした。営業利益と経常利益は増益見通しから一転して減益見通しとなった。
主力のコンテンツサービス事業は交通情報などスマートフォン向け定額制コンテンツ販売が好調に推移しているが、ソリューション事業では中国(上海)での携帯電話販売台数がキャリアの販売奨励金の一時休止の影響を受けて計画を下回った。また日本での広告販売(店頭アフィリエイト)獲得件数がiPhone5S/C販売開始の影響を受けて計画を下回った。
特別損失には、中国携帯電話販売市場の低迷も影響して損失計上が続いているため、中国でモバイルコンテンツ事業を統括する連結子会社、因特瑞思(北京)信息科技有限公司の株式評価損1億37百万円を計上した。
なお配当予想については、期末に東証1部市場指定替えの記念配当1円を増額して年間3円(期末一括)とした。前期との比較では13年12月1日付の株式100分割を考慮すると実質的に1円20銭増配となる。
株価の動き(14年2月28日付で東証2部市場から東証1部市場へ指定替え)を見ると、戻り高値圏300円台では上値が重くなり250円~300円近辺で三角保ち合いだったが、5月以降は保ち合い下放れの形となった。さらに5月20日発表の今期業績見通し減額修正で、5月21日には210円まで下押す場面があった。ただしその後は下げ渋り感を強めている。売りが一巡したようだ。
5月29日の終値230円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS11円01銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績に株式100分割を考慮した連結BPS101円25銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて下げ渋り感を強めている。サポートラインを確認した形であり、売りが一巡して調整のほぼ最終局面だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
コンテンツ制作・配信の日本エンタープライズ<4829>(東1)の株価は、5月20日発表の今期(14年5月期)業績見通しの減額修正で下押す場面があったが、足元では下げ渋り感を強めている。
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2014-05-30 09:15