イワキは下値を切り上げて煮詰まり感、上放れのタイミング
医薬品・医薬品原料商社のイワキ <8095> の株価は上値の重い展開だが、下値を着実に切り上げてモミ合い煮詰まり感を強めている。ジェネリック医薬品市場の拡大も追い風として今期(14年11月期)業績見通しに上振れ余地があり、低PBRも評価してモミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。
1914年創業の医薬品商社である。医薬品事業(医療用・一般用・動物用医薬品の製造・販売、調剤薬局経営など)、医薬品原料・香粧品原料事業(医薬品・香粧品原料の製造・販売、化粧品のOEM製造など)、化成品事業(電子工業用薬品・表面処理用薬品・化成品などの製造・販売)、食品原料・機能性食品事業(食品原料の製造・販売、サプリメントのOEM製造など)、その他事業(医療機器の販売、化粧品の製造・販売など)を展開している。
全国の医薬品卸・医療機関・ドラッグストアなどに医薬品や機能性食品などを供給する卸売機能、国内外のメーカーなどを開拓して輸出入する商社機能、そしてグループ内に岩城製薬(ジェネリック医薬品・医薬品原料、医療機関向け化粧品などの製造)やメルテックス(表面処理薬品などの製造)というメーカー機能を併せ持つことが強みであり、卸売・商社・メーカー機能の連携を強化している。
事業基盤強化と収益拡大に向けて、医薬品事業の収益改善、ドラッグストア向けPB商品など自社企画商品の開発・提案強化、医薬品原料事業のシェア拡大、海外サプライヤーとの連携強化、岩城製薬の安定供給体制確保に向けた能力増強と製造コスト低減、メルテックスの海外展開強化などを推進している。ジェネリック医薬品・原料関連の市場は拡大基調であり、中期的に収益拡大が期待される。
今期(14年11月期)の連結業績見通しは前回予想(1月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比1.0%増の530億円、営業利益が同0.8%減の10億円、経常利益が同4.7%減の11億円、純利益が同13.9%減の6億50百万円としている。
第1四半期(12月~2月)連結業績は前年同期比5.3%増収、同7.2倍営業増益、同2.0倍経常増益、同2.8倍最終増益だった。医薬品事業では医療用医薬品の外皮用剤、一般用医薬品原料の血管収縮剤原料などが好調に推移した。化成品事業では国内のプリント配線板や車載部品向けの薬品が好調に推移し、営業損益も黒字に改善した。
通期ベースでは14年4月の薬価改定の影響などで営業利益横ばい見通しとしているが、医薬品事業ではジェネリック医薬品や自社企画PB商品が好調に推移して数量増効果が期待され、前期低調だった化成品事業では新製品拡販も寄与して営業損益改善が期待される。会社見通しはやや保守的で通期上振れ余地があるだろう。
株価の動きを見ると、上値の重い展開で足元は概ね195円~205円近辺のレンジで推移している。ただし2月安値175円から3月安値187円、4月安値192円、5月21日安値195円と着実に下値を切り上げて、モミ合い煮詰まり感も強めている。
5月29日の終値198円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円24銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS499円78銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が下値を支える形となり、26週移動平均線突破の動きを強めている。指標面には割安感が強く、モミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医薬品・医薬品原料商社のイワキ<8095>(東1)の株価は上値の重い展開だが、下値を着実に切り上げてモミ合い煮詰まり感を強めている。
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2014-05-30 09:15