巴工業は調整一巡感、今期増収増益見通し評価で出直り

  化学機械メーカーの巴工業 <6309> の株価は、5月20日の直近安値から反発の動きを強めている。2月安値を割り込まずに反発して調整が一巡したようだ。今期(14年10月期)増収増益見通しや低PBRを評価して出直り展開だろう。第2四半期累計(13年11月~14年4月)の業績発表が接近して期待感が高まる可能性もありそうだ。   遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱としている。中国ではコンパウンド加工事業も展開し、13年11月には中国の連結子会社・星科工程塑料に対するテクノポリマーおよび日本カラリングの出資持分をすべて譲り受けた。両社との資本・業務提携を解消し、当社主導で収益を立て直す方針だ。   13年12月に策定した中期経営計画「Target2016」では、経営目標値として16年10月期売上高475億円、営業利益25億80百万円、経常利益26億円、純利益16億円、ROE6.3%、ROA4.4%を掲げている。重点戦略としては、北米市場、南米市場、東南アジア市場を中心とする海外売上高の拡大に加えて、機械事業ではエネルギー分野への参入、化学品事業では二次電池やパワー半導体向け商材の開拓に取り組むとしている。   今期(14年10月期)の連結業績見通しは前回予想(13年12月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.2%増の413億円、営業利益が同27.3%増の19億30百万円、経常利益が同22.0%増の20億50百万円、純利益が同42.7%増の12億円としている。セグメント別売上高の計画は、機械製造販売事業が北米や南米での石油化学分野への販路拡大などで同29.9%増の121億円、化学工業製品販売事業が東南アジア市場での新規顧客開拓などで同1.2%増の292億円としている。   第1四半期(13年11月~14年1月)連結業績は前年同期比7.2%増収、同11.1%営業増益、同67.6%経常増益、同3.1倍最終増益だった。機械製造販売事業で収益性の低い案件の売上計上があったが、化学工業製品販売事業で高採算商材が好調に推移して営業損益が改善した。純利益は中国のコンパウンド加工事業に係る少数株主持分取得に伴う特別利益計上も寄与した。設備投資需要の回復が追い風となり、中国のコンパウンド加工事業の収益改善なども寄与して、通期ベースでの好業績が期待される。   株価の動きを見ると、3月17日の1567円から4月2日の1763円まで切り返したが、地合い悪化も影響して反落し、5月22日には1550円まで調整する場面があった。ただし2月安値1518円を割り込むことなく切り返し、足元では1600円台を回復して反発の動きを強めている。調整が一巡したようだ。   5月29日の終値1603円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円26銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2340円34銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると52週移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡して出直り展開だろう。低PBRも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
化学機械メーカーの巴工業<6309>(東1)の株価は、5月20日の直近安値から反発の動きを強めている。2月安値を割り込まずに反発して調整が一巡したようだ。
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2014-05-30 09:15