東洋ドライルーブは調整一巡して反発のタイミング、低PER・低PBRを評価

  ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ <4976> (JQS)の株価は、地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、1500円近辺の下値支持線に到達して調整一巡感を強めている。今期(14年9月期)の営業利益見通しに増額の可能性があり、低PERと低PBRも評価して反発のタイミングだろう。   ドライルーブ(固体皮膜潤滑剤)製品のコーティング加工を主力として、その他事業ではナノカーボン製品の製造販売も展開している。ドライルーブとは二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどの潤滑物質と各種特殊バインダーをハイブリッドに配合し、各種溶剤または水に分散させた有機結合型の多機能皮膜である。耐摩耗性に優れているため自動車機器、デジタル家電、デジタルカメラなどの駆動伝達部で、オイルやグリースなどの液体潤滑剤を使用できない部位にコーティング皮膜として使用される。中期成長に向けた事業戦略として新製品開発と、アジア地域を中心としたグローバル展開を推進している。   5月9日に発表した今期(14年6月期)第3四半期累計(7月~3月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.3%増の39億81百万円、営業利益が同15.5%増の3億36百万円、経常利益が同24.9%減の3億49百万円、純利益が同24.8%減の1億92百万円だった。経常利益と純利益は営業外収益での外貨建て資産為替評価益の減少で減益だったが、主力のドライルーブ・コーティング加工の好調が牽引して2桁増収となり、2桁営業増益だった。   セグメント別売上高を見ると、ドライルーブ事業は同12.3%増の39億65百万円だった。電子部品関連が同5.1%減収とやや低調だったが、自動車関連が同16.6%増収、光学機器関連が同18.0%増収と好調だった。その他事業はナノカーボン製品が堅調で同9.8%増の16百万円だった。   通期連結業績見通しは前回予想(13年8月5日公表)を据え置いて、売上高が前期比5.6%増の50億05百万円、営業利益が同14.2%増の4億15百万円、そして経常利益が同17.3%減の4億60百万円、純利益が同9.3%減の2億89百万円としている。ドライルーブ事業の需要先別売上高の計画は自動車が同2.8%増の35億51百万円、電子部品が同16.4%増の4億69百万円、光学機器が同9.9%増の4億31百万円、その他が同13.2%増の5億33百万円としている。   営業外収益での外貨建て資産為替評価益の減少を見込んで経常減益、最終減益の計画だが、ドライルーブ事業は主力の自動車関連が好調に推移し、海外子会社での光学機器関連の受注増加も寄与して増収、営業増益の見込みだ。第3四半期累計の進捗率は売上高が79.5%、営業利益が81.0%、経常利益が75.9%、純利益が66.4%である。通期営業利益は増額の可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して4月に1600円~1700円近辺でのモミ合いから下放れの形となった。そして5月13日には1488円まで調整する場面があった。しかしその後は1500円近辺で下げ渋る形となり、調整一巡感を強めている。   5月29日の終値1540円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS218円87銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3945円33銭で算出)は0.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。さらに週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。1500円近辺の下値支持線に到達して調整一巡した形であり、低PERと低PBRも評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ<4976>(JQS)の株価は、地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、1500円近辺の下値支持線に到達して調整一巡感を強めている。
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2014-05-30 09:15