【為替本日の注目点】ドル円値動き一段と緩慢、豪ドルが続伸豪州設備投資が好調で

 NY市場  ドル円はじり安の展開が続き、GDP改定値が発表されると101円43銭まで下落したが、失業保険申請件数が減少していたことでドルが買い戻され、101円79銭近辺まで反発して引ける。  ユーロドルは1.36台を挟みもみ合い。ECBの景気刺激策を巡っての思惑が交錯し方向は定まらなかった。  豪ドルが続伸。企業の設備投資に増加の兆しが見られたことから豪ドル円は93円台後半から94円台半ばを超える。  株式市場は反発。失業保険申請件数の減少を好感し、後場から引けにかけて上昇幅を拡大。ダウは65ドル高で、S&P500は10ポイント上昇し再び最高値を更新。  債券相場はGDP改定値を受けて一時2.40%台まで低下したがその後は徐々に売られ、利回りは2.47%台まで上昇して引ける。  金は4日続落し1257ドル台に。原油は反発。  1-3月期GDP(改定値) → -1.0%     新規失業保険申請件数    → 30.0万件   4月中古住宅販売成約指数  → +0.4%   ドル/円 101.43 ~ 101.79  ユーロ/ドル 1.3595 ~ 1.3626  ユーロ/円 138.13 ~ 138.51  NYダウ +65.56 → 16,698.74ドル  GOLD -2.20  → 1,257.10ドル  WTI +0.86  → 103.58ドル  米10年国債 +0.025  → 2.470%  本日の注目イベント  日   4月失業率   日   4月消費者物価指数   日   4月鉱工業生産   米   4月個人所得   米   4月個人支出   米   4月PCEコアデフレーター   米   5月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)   米   5月シカゴ購買部協会景気指数   米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演   米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演   米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演      米第一四半期GDP改定値が市場予想を下回る-1.0%だったことで、ドル円は一時101円43銭まで下落しましたが、その後に発表された新規失業保険申請件数が30万件まで減少したことでドルは買い戻され101円台後半まで反発するなど、依然として一方方向へは動きにくい展開が続いています。  新規失業保険申請件数はこれで、4週平均件数が2007年以来の低水準になって来ました。足許では失業率が6.3%まで低下し、雇用も順調に増加していることを裏付ける内容です。ただ、それでも米長期金利が上昇しないことに市場はやや困惑しています。  株価が順調に上昇し、この点だけを見れば「リスクオン」が進んでいると言えますが、同時に安全資産の米国債が買われるという、やや異例な状態が続いています。足許では雇用を中心に景気の拡大が続いているが、もう少し長い目で見たら景気は鈍化するという見立てなのかもしれません。  ドル円は値動きが一段と緩慢になっていることから、ボラティリティーも異常に低下しており、現在3ヶ月で6.3%台で推移しています。昨年6月には「アベノミクス」をはやしたて、株高ドル高が進み、ボラティリティーは15.8%まで上昇していました。現在はその半分以下の水準です。過去の動きを見ると、ボラティリティーはドル高の際に上昇する傾向があります。足許の低水準はまだドル高へは変化しないことを物語っているのかもしれません。  市場は既に来週の重要イベントに目を向けています。5日にはECBの理事会があり、追加緩和に動くだろうという見方がほぼ独占しています。政策金利を引き下げれば昨年11月以来ということになりますが、その後の再引き下げ余地は限られます。また6日には毎月恒例の「米雇用統計」の発表です。日本でも来月には成長戦略の発表があり、その重要な中身の一つである法人税減税はどうやら2015年から実施される模様で、少し動き出しました。従ってさすがのドル円も6月にはレンジブレイクを見せ、動き出すと予想(期待)しています。  今日のドル円は101円台の上も下も抜けそうにありません。予想は101円~102円というところですが、特にニュースもなければ101円30銭~101円90銭程度を予想します。  今日で5月の営業日も終わります。「Sell in May 」(5月に売れ)という格言はどうやら、今年に限っては当てはまらなかったようです。NYダウは4月末に比べ昨日現在で約100ドルの上昇です。上昇幅としてはそれほど大きくはありませんが、S&P500については5月に史上最高値を何度も更新しました。債券価格や原油価格も上昇しており、金価格だけが一人負けの様相です。著名投資家のウォーレンバフェットは金には一切投資しないそうです。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はじり安の展開が続き、GDP改定値が発表されると101円43銭まで下落したが、失業保険申請件数が減少していたことでドルが買い戻され、101円79銭近辺まで反発して引ける。
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2014-05-30 09:45