Jディスプレイは3連騰、MSCI指数組み入れ開始で連続増益業績の買い直しが続く
ジャパンディスプレイ(Jディスプレイ) <6740> は、19円高の591円と3日続伸してスタートし、今年5月19日につけた上場来安値499円から底上げしている。きょう30日の取引終了後に構成銘柄に新規採用されたMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)株価指数への組み入れが開始されることから需給好転思惑を高めて買い増勢となっており、今3月期業績が連続増益と予想されていることも合わせて見直されている。内外証券が、投資判断については引き上げ・据え置きなどマチマチだが、目標株価については引き上げたことで一致していることも、フォローの材料視されている。
■大画面化・高精細化需要に対応し新世代生産ラインの稼働本格化
MSCI株価指数は、世界の機関投資家の運用上のベンチマークとなっており、この構成銘柄への新規採用は、ファンド筋の買い需要が発生するとして需給好転要因みられている。この新規採用・除外は今年5月15日早朝に発表され、新規採用された同社株は、ただ需給好転思惑より同日大引け後に発表された3月期決算が株価変動要因となり、上場来安値499円と売られダメ押しをした。
同社の業績は、今年3月19日の新規株式公開(IPO)から1カ月超後の4月28日に前2014年3月期業績が下方修正され、実績は、ほぼこの修正通りに売り上げ6145億6700万円(合併前の前期実績に対して3.7倍)、営業利益276億2400万円(同2.7倍)、経常利益190億7200万円(同2.2倍)、純利益339億1800万円(同9.5倍)と増収増益率を縮小して着地した。
下方修正は、前期第4四半期に顧客先の理由で出荷が遅れ、中価格帯のスマートフォンディスプレイの市場価格下落に伴い価格交渉が難航し出荷見合わせを行ったことが要因となったが、業績水準そのものは、スマホ向けの需要増や中国の新規顧客との高精細ディスプレイの取引開始、昨年6月の茂原工場の第6世代生産ラインの量産開始などから増益は維持した。
今期業績も、同社主力販売先の中小型ディスプレイ市場で需要拡大とディスプレイの大画面化と高精細化がさらに進展することが見込まれており、対応したハイエンド・ディスプレイを搭載したスマホ向けの市場シェア拡大を図り、中国の中価格帯のスマホ市場向けには台湾のグループ会社から販売し、国内の第5.5世代生産ラインや第6世代ラインを拡充することなどから続伸を予想している。売り上げは7500億円(前期比22%増)、経常利益は315億円(同65%増)とし、純利益は、前期に計上した繰延欠損金に係る繰延税金資産175億2700万円が一巡して268億円(同21%減)と見込んでいる。
■PER13倍台・PBR0.8倍の売られ過ぎ訂正で底上げ
株価は、今年3月19日に公開価格900円で新規株式公開(IPO)され、公開価格が仮条件の下限で決まり資金吸収額が3000億円超と大型で、ディスプレイ価格が下落していることも響いて769円で初値をつけ、前期業績の下方修正で上場来安値まで突っ込んだ。MCSI指数への組み入れの需給好転期待をテコに今期業績の続伸予想を見直し、PER13倍台、PBR0.8倍の売られ過ぎ訂正の底上げに弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ジャパンディスプレイ(Jディスプレイ)<6740>(東1)は、19円高の591円と3日続伸してスタートし、今年5月19日につけた上場来安値499円から底上げしている。
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2014-05-30 10:15