【相場熟者が答える投資相談】三菱商事の売却を考えていますがアドバイスを

■三菱商事を平均買い値１９００円で２００株保有しています。そろそろ売却したいがアドバイスを（山梨県・Ｃ） 　【問い】　三菱商事 <8058> をナンピン買いをして、平均株価１９００円で２００株持っていますが、利益が出てきたのでそろそろ売却しようかと迷っています。アドバイスをよろしくお願いします。 ■ＮＩＳＡ関連でさらに注目、持ち株は持続を 　【答え】　三菱商事は、今期増配見通しで、バリュエーション的に割安感があり、配当利回り妙味が増すほか、自社買いの実施により需給が改善されるとの期待感があります。５月２７日には年初来高値２０３２円と買い進まれています。２０００円大台に乗せたことで目先目標達成感が出たようでやや上げ一服となっています。 　足元の業績、前２０１４年３月期の連結決算（米国会計基準）で、インフラ関連や機械など非資源分野が業績を牽引し、純利益は４４４７億（前の期比２３．５％増）に着地。国際会計基準に移行する今１５年３月期業績予想は純利益は４０００億円を見込んでいますが、単純比較は出来ないものの、会計基準変更の影響を除くと実質１１％増の計画で、年間配当は今期７０円（前期比２円増）と連続増配を予定しています。 　株価は、２０００円のフシに到達したことで、目先目標達成感が出ていますが、バリュエーション的には今期予想ＰＥＲ８倍台・ＰＢＲ０．７０倍と割安感があり、配当利回りも３．４％と利回り妙味も増します。元来、商社株は割安水準に放置される嫌いがありますが、欧州中央銀行の追加緩和観測を受けて海外金利が低下したことを受け、同社が配当５０円をベースに純利益３５００億円を超える部分で配当性向３割を目安にしていることが評価されていますし、４０００万株（２．４％相当）・６００億円を上限に５月９日～７月３１日まで自社株買いを実施すると発表していますので、需給面で自社株買いが下支えすると予想されます。 　また、今年から始まった少額投資非課税制度（ＮＩＳＡ）の口座数が増加していますから、単位１００株の同社株にＮＩＳＡ口座から流入するとの期待感がありますので、七夕（７月７日）天井、昨年５月高値２１０８円抜けを目安に持続も良いでしょう。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）