インフォマートは1月高値接近、成長力評価して上値追い

  企業間電子商取引プラットフォームを提供するインフォマート <2492> (東マ)の株価は、短期調整が一巡して水準を切り上げ、14年1月の上場来高値に接近している。今期(14年12月期)大幅増収増益見通しに上振れの可能性もあり、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。   フード業界向けプラットフォーム「FOODS info Mart」で、企業間(BtoB)電子商取引の「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」「クラウドサービス」を提供している。月額のシステム使用料収入が収益柱となるストック型収益モデルだ。   大手の食材卸売企業や外食チェーンも当システムを利用し、顧客は増加基調である。13年12月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業除く)は、12年12月末比2723社増加して3万4202社(売り手企業が同2482社増加の2万7257社、買い手企業が同241社増加の6945社)となった。また13年の年間システム取引高合計は12年比16.6%増加の8618億円、外食産業における仕入金額ベースのシェアは12.4%だった。当面の目標としてシステム取引高1兆円を掲げ、全国のホテル・給食業界への営業も強化している。   14年3月末には、ASP受発注システムおよびASP受注・営業システムのWebによる発注店舗数が5万15店舗となり、全国約72万の外食店舗におけるシェアが6.5%に拡大した。電話やFAXからWebに切り替えて発注する店舗が着実に増加している。   また子会社ではインフォライズがクラウドサービス事業、インフォマートインターナショナル(香港)が海外事業を展開し、14年4月にはインフォマートインターナショナル(香港)が、台湾進出の日系企業向けに台湾版「FOODS info Mart」のサービス提供を本格的に開始した。   アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ <4832> 、13年6月に東芝テック<6588>、13年11月に東京システムハウスとデータ連携を開始した。また子会社インフォライズと協同で、14年2月に国内外のフード業界関連企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F-Marketing」を開始し、14年4月にはフード業界向け情報発信を目的とする総合ポータルサイト「フーズチャネル」を開設した。   中期成長に向けた戦略としては、次世代「BtoB&クラウド」プラットフォーム提供によるフード業界BtoBの強化に加えて、他業界BtoB展開として美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」による事業領域拡大も推進している。   今期(14年12月期)の連結業績見通しは、前回予想(2月14日公表)を据え置いて売上高が前期比20.1%増の52億12百万円、営業利益が同85.9%増の20億35百万円、経常利益が同83.0%増の20億26百万円、純利益が同92.4%増の12億14百万円、利用企業数が同3890社増加の3万8092社としている。   ASP受発注システムなど各システムの利用数増加に伴ってシステム使用料収入は増加基調である。アライアンスパートナーからの紹介による新規稼動数も増加傾向を強めている。増収効果でASP受注・営業システムとクラウドサービスも黒字化する見込みだ。既存プラットフォームの期間短縮償却が前期末に完了したため、ソフトウェア償却費が減少することも利益押し上げ要因となる。人件費増加などを吸収して大幅増収増益見込みだ。   第1四半期(1月~3月)は、ASP受発注システムの買い手新規稼動が計画を上回って推移し、前年同期比15.1%増収、同71.3%営業増益、同65.7%経常増益、同56.9%最終増益の大幅増収増益だった。第1四半期末時点の利用企業数は前期末比628社増加の3万4830社(売り手企業が同515社増加の2万7772社、買い手企業が同113社増加の7058社)(全ID数は16万1829ID)となった。   第2四半期累計(1月~6月)見通しに対する第1四半期累計の進捗率は売上高が48.7%、営業利益が50.9%、経常利益が50.6%、純利益が49.1%である。四半期ごとの新規稼働数増加による収益拡大ペースを考慮すれば高水準であり、第2四半期累計および通期見通しとも上振れの可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、4月3日の戻り高値1990円から反落後は地合い悪化も影響して調整局面となり、概ね1500円~1800円近辺のレンジで推移したが、足元では水準切り上げの動きとなった。5月30日には1938円まで上伸して4月の戻り高値1990円、そして1月の上場来高値2000円に接近する場面があった。調整が一巡して好業績を評価する動きだろう。   5月30日の終値1879円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円76銭で算出)は48倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円38銭で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS110円28銭で算出)は17倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸し、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調の形となって上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
企業間電子商取引プラットフォームを提供するインフォマート<2492>(東マ)の株価は、短期調整が一巡して水準を切り上げ、14年1月の上場来高値に接近している。
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2014-06-02 09:00