今週の為替相場見通し(2014年6月2日-)=為替王

 5月は大幅な円高になる可能性を懸念してきました。円高にはなりましたが、「大幅な円高」というほどではありませんでした。ユーロは140円、ポンドは170円の大台をそれぞれ割れましたが、米ドルは結局100円以上の水準をしぶとくキープしています。  6月に入ってまず注目したい通貨は南アフリカランド。南アフリカランドは4月以降はおよそ9.6~9.9円台あたりの比較的狭い範囲で推移しています。乱高下することが多い南アフリカランド円としては、だいぶ安定している状態といってよいでしょう。今月その安定した状態が崩れるかもしれません。短期的なチャート分析においては下落を示唆するシグナルが先週の時点ですでに点灯しており、下落ターゲットを計測しますと第一に9.45あたり。そのあたりが当面の現実的なターゲットになるかと思いますが、最大で1ランド=9円の大台を割り込むシナリオも浮上しています。南アフリカの経済が失速しているファンダメンタルズ的背景に加えて、米ドル円など主要通貨が崩れるなどしますと、ランドもそれくらいの大相場に発展する可能性は十分に考えられると思いますので一応頭に入れておきたいです。  豪ドル円は先月93円で底打ちした後、ひとまず反発の動きが続いています。反発の目処としましては95円台半ば~後半あたり。豪ドルは今週3日に政策金利発表が予定されているのですが、今回は変更なしと思われます。それよりも4日の豪GDPのほうが注目されます。これまでの豪州経済を見てますと、強めの数値が出てくるのではないかと思われます。  ユーロについては、5月はかなり下落しましたが、先週はさすがに下げ止まって一服した状態です。チャート分析の観点では、やや一方的な下落から少し反発した程度なので、特にどうこういう状況でもないのですが(強いて言えば、ユーロ円の上方へ伸びることができるかどうかの重要ポイントが139円台前半)、世界的に注目されているのが今週5日に予定されているユーロ圏の金融政策会合。何らかの手を打ってくることは間違いないと思われ、ただ、利下げするだけなら(たとえば現状の0.25%から、0.15%とか0.1%くらいへの利下げなど)、あまりインパクトははなく為替への影響も限定的だと思いますが、もしも、量的緩和など骨太の金融緩和策を打ち出してくるようですと、ユーロ安につながる(一時的なものではなくしばらく続くような)可能性が考えられます。(執筆者:為替王)
5月は大幅な円高になる可能性を懸念してきました。円高にはなりましたが、「大幅な円高」というほどではありませんでした。
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2014-06-02 10:15