【投資戦略2014】岡三証券、「穏中求進」で中国株もジリ高に

岡三香港(岡三国際(亜洲)有限公司)のストラテジスト、忍足 眞理(おしだり まり)氏は、2014年の中国株式市場について「中国政府が推進する穏中求進(安定の中で前進を目指す)の政策を受けて、改革に対する取り組みが具体化するにつれて株価は上昇に向かう」と見通す。また、タイ、インドネシア、インドなど経常赤字が大きな国には通貨安による市場の不安定化のリスクがあると指摘する。
――2014年の中国株式市場の見通しは?
2013年の香港株式市場は、秋に開催された三中全会の「決定」の中で、改革に対する政府の姿勢が評価されハンセン指数は12月に入って年初来高値を更新しました。
2014年は、中国の景気鈍化や米量的緩和縮小を織り込む際に、一時的に軟調になる場面はみられるでしょうが、基本的には改革に対する取り組みが具体化するにつれて株価は上昇に向かうと考えています。
政府の実行力が試される局面ではありますが、一人っ子政策の規制緩和が実現できたことなどを踏まえると、今後も多方面に渡る改革が推進されそうだと思います。
――2014年の中国をみるポイントは?
2014年も中国政府は「穏中求進」路線を維持する意向です。積極的な財政政策と穏健な金融政策を継続することになります。
加えて、改革も推進していくことを強調しています。既に上海自由貿易試験区などで金融改革に向けた動きが足元で活発化しています。金融改革に関係する政策には注目が必要です。
また、大気汚染による濃霧発生が各地で深刻化しているため、環境に配慮しつつ、バランスのとれた経済成長を目指すことになるでしょう。新型都市化も推進していきそうです。
一方、地方政府の債務リスクの抑制も、2014年の重要な経済任務の一つとして初めて組み入れられました。地方政府による財政政策は、これまで以上に厳しく管理されたものになりそうです。
――中国以外のアジア市場の見方は?
2014年のアジア市場は、特に前半、米国の量的緩和縮小に伴う資金流出が一時的に株価の重しとなる場面があるでしょう。とりわけ、経常収支の推移によって株価のパフォーマンスに差が出てくると思われます。タイやインドネシア、インドなど経常赤字の多い国は、縮小が予想以上に早いペースで行われた場合、通貨安による市場の不安定化が再度引き起こされるリスクが残っています。
ただ、これら3カ国は2014年に選挙が予定されているため政治動向にも注目が必要です。選挙結果次第では、株価安定に繫がるきっかけになるかもしれません。(編集担当:徳永浩)
岡三香港(岡三国際(亜洲)有限公司)のストラテジスト、忍足 眞理氏は、2014年の中国株式市場について「中国政府が推進する穏中求進(安定の中で前進を目指す)の政策を受けて、改革に対する取り組みが具体化するにつれて株価は上昇に向かう」と見通す。(写真は、、忍足 眞理氏。提供:岡三証券)
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2013-12-26 14:45