中国政府が零細企業、農村部経済体への融資活性化をテコ入れ
中国では、李克強首相が5月30日に招集した国務院常務会議が、「金融を実体経済に奉仕させる『血流』の道を通す」との結論を出したことが注目されている。具体的には農村部経済体や零細企業や農村部経済体に対する融資を活性化することを指すとされる。中国新聞社などが報じた。
同会議は金融機関による融資について「定向降准(一定の方向に、基準を引き下げる)」の措置に、これまで以上に力を入れるとした。中国人民銀行(中央銀)金融市場の紀志宏司長によると、「定向降准」は主に、三農問題(農村、農業、農民の経済や生活面における水準引き上げ)と、零細企業の状況に合致する構造調整を意味する。
「全面降准」でなく「定向降准」としたのは、中国経済の弱点である農業経済体や零細企業に対して、金融資源をよりよく配分するためという。
中国人民銀行は4月25日、農村部を営業エリアとする農村商業銀行に対して預金準備率を0.5ポイント引き下げた。紀司長によると、同措置も「定向降准」の一環という。
国務院常務会議が「定向降准」を強調したことで、あらゆる分野に対する融資を促進する「全面降准」の可能性は、むしろ低くなったとの見方が出ている。中国政府はあくまでも「定向降准」を推進して経済の弱点に対する「ピンポイント」治療を狙うとの観測だ。
中国政府は、金融機関による各分野についての融資について「支持・抑制」のどちらも可能な構造を築こうとしているとされる。これまでのところ、農業分野や零細企業以外に「支持」が必要な分野としては、鉄道、水利、エネルギー、老朽化住宅街の改造、低所得者向け住宅(保証住宅)、都市部のインフラ建設などとされている。
さらに、伝統的産業の改革や戦略性新興産業、ハイテク産業、サービス業も支持の対象となる。逆に、地方政府の融資プラットフォームや生産過剰な業界、不動産業などは「支えもするが融資の抑制もする」分野になるとされる。
中国人民銀行によると、4月末時点でサービス業に対する中長期の融資残高は前年同期に比べて15.5%伸びた。伸び率は2013年末に比べて1.8ポイント上昇した。一方「生産過剰」とされている分野に対する中長期の融資残高は前年同期に比べて5.9%しか伸びておらず、しかも伸び率は13年末に比べて1.6ポイント下落したという。(編集担当:如月隼人)
中国では、李克強首相が5月30日に招集した国務院常務会議が、「金融を実体経済に奉仕させる『血流』の道を通す」との結論を出したことが注目されている。具体的には農村部経済体や零細企業や農村部経済体に対する融資を活性化することを指すとされる。中国新聞社などが報じた。
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2014-06-02 17:45