OBARA GROUPは今期業績見通し再増額の可能性も評価し4月高値試す
溶接機器や平面研磨装置のOBARA GROUP <6877> の株価は、今期(14年9月期)業績見通し増額修正を好感した4月高値から一旦反落したが、足元では短期的な自律調整が一巡して切り返しの動きを強めている。今期業績見通し再増額の可能性を評価して4月高値を試す展開だろう。
自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、エレクトロニクス業界向け平面研磨装置や洗浄装置を主力とする平面研磨装置関連事業を展開している。溶接機器関連事業では、中長期的な市場拡大に向けて弾力的な供給体制を整備するため、中国(南京・上海)の設備能力を増強している。
5月7日に発表した今期(14年9月期)第2四半期累計(10月~3月)の連結業績(3月27日に増額修正)は、売上高が前年同期比34.3%増の243億25百万円となり、営業利益が同61.4%増の50億38百万円、経常利益が同39.3%増の53億95百万円、そして純利益が同53.8%増の35億76百万円だった。
3月27日の増額修正値を上回る大幅増収増益だった。溶接機器関連事業、平面研磨装置関連事業とも好調に推移し、全社ベースの受注高は同11.9%増の253億31百万円だった。売上面ではアジア・パシフィック地域の売上高が同57.1%増の181億71百万円となり、米州地域なども含めた海外売上高比率は83.4%となった。利益面では増収効果や原価低減効果などが寄与した。売上総利益率は35.5%で同1.8ポイント上昇し、販管費比率は14.8%で同1.7ポイント低下した。円安に伴う営業外収益での為替差益計上も寄与した。
セグメント別動向を見ると、溶接機器関連事業は受注高が同36.3%増の182億12百万円、売上高(内部取引等調整前)が同41.8%増の173億35百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同65.3%増の39億99百万円、受注残高が同64.4%増の63億45百万円だった。アジア地域や米州地域での自動車関連の設備投資需要が高水準に推移した。
平面研磨装置関連事業は、受注高が同0.4%減の71億18百万円だったが、売上高が同18.8%増の70億02百万円、営業利益が同51.0%増の13億05百万円だった。受注残高は同12.0%減の74億75百万円となった。スマートフォン関連を中心にエレクトロニクス関連素材メーカーの設備投資や生産が回復傾向を強めた。
通期の連結業績見通しは前回予想(3月27日に増額修正)を据え置いて売上高が前期比15.3%増の445億円、営業利益が同23.4%増の77億50百万円、経常利益が同11.0%増の81億50百万円、そして純利益が同12.1%増の51億50百万円としている。想定為替レートは1米ドル=102円で、セグメント別の売上高は、溶接機器関連事業が同20.5%増の315億円、平面研磨装置関連事業が同4.3%増の130億円としている。
期初時点では自動車関連の設備投資需要が落ち着いた状況になる見込みとしていたが、アジア地域を中心に世界の自動車関連の設備投資は依然として活発であり、平面研磨装置関連事業も半導体関連の設備投資が回復傾向を強めている。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.7%、営業利益が65.0%、経常利益が66.2%、純利益が69.4%と高水準であり、通期見通し再増額の可能性が高いだろう。
株価の動きを見ると、3月27日の今期業績見通し増額修正を好感した4月高値4310円から利益確定売りなどで一旦反落し、3600円~4000円近辺で推移していたが、足元では5月22日の直近安値3490円から切り返しの動きとなった。6月2日には4155円まで上値を伸ばしている。短期的な自律調整が一巡したようだ。
6月2日の終値4145円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS265円12銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1596円45銭で算出)は2.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって反発し、13週移動平均線を回復した。強基調を継続して4月高値4310円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
溶接機器や平面研磨装置のOBARA GROUP<6877>(東1)の株価は、今期(14年9月期)業績見通し増額修正を好感した4月高値から一旦反落したが、足元では短期的な自律調整が一巡して切り返しの動きを強めている。
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2014-06-03 09:15