国際計測器は1月高値試す、4%近辺の高配当利回りも注目

  タイヤ用バランシングマシンの国際計測器 <7722> (JQS)の株価は4月の直近安値から切り返し、さらに前期(14年3月期)業績と配当の増額修正、今期(15年3月期)増収増益・増配見通しを好感して出直りの動きを強めている。足元で4%近辺の高配当利回りも注目点であり、1月高値を試す展開だろう。   自動車タイヤメーカー向けバランシングマシンおよびユニフォミティ試験機を主力として、シャフト歪自動矯正機、電気サーボモータ式振動試験機、子会社での材料試験機なども展開し、動電型振動試験機の分野ではエミックと業務提携している。   中期5カ年経営計画では16年3月期の売上高135億円、営業利益24億円、経常利益24億円、純利益14億円を目標数値として掲げ、主力の生産ライン用タイヤユニフォミティ・バランス複合試験機(UBマシン)の拡販を強化している。また新製品開発では、電気サーボモータ式各種振動試験装置を新規事業の戦略分野と位置付けて、電気サーボモータ式ステアリングシステム試験装置、電気サーボモータ式捩り試験装置、動電型振動試験機などの開発・製品化も進めている。   5月15日に発表した前期(14年3月期)連結業績(5月12日に増額修正)は、売上高が前々期比24.4%増の130億76百万円、営業利益が同40.9%増の21億15百万円、経常利益が同46.6%増の22億67百万円、純利益が同53.9%増の13億36百万円だった。配当予想については5月15日に増額修正を発表した。前回予想に対して期末7円増額して年間47円(第2四半期末20円、期末27円)とした。前々期との比較では17円増配となる。   受注高は同59.8%増の130億76百万円で過去最高を更新した。中国などアジアのタイヤメーカー向けバランシングマシン、国内の大手自動車部品メーカー向け電気サーボモータ式振動試験機の受注が大幅に伸長した。売上面では電気サーボモータ式振動試験機の大型案件が期末に検収されたことも寄与した。利益面では増収効果に加えて、円安に伴う輸出採算の改善、営業外収益での為替差益計上も寄与した。   セグメント別売上高(内部取引等消去前)を見ると、国内では国際計測器が同24.7%増の101億71百万円、国内子会社の東伸工業が同29.7%増の9億39百万円、海外では米国が同0.8%減の11億65百万円、韓国が同13.0%増の14億54百万円、中国が同38.6%増の8億12百万円だった。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比10.9%増の145億円、営業利益が同27.6%増の27億円、経常利益が同19.1%増の27億円、純利益が同16.7%増の15億60百万円としている。前期末時点で120億71百万円と高水準の受注残高を背景として増収増益見込みだ。配当予想は同8円増配の年間55円(第2四半期末25円、期末30円)としている。   中期5カ年経営計画の16年3月期目標値を1期前倒しで達成の見込みとなった。米国自動車市場の好調、アジア自動車市場の拡大、円安進行に伴う日系自動車メーカーの生産台数増加、世界的なエコカー開発・量産投資などを背景として自動車・タイヤメーカーからの受注は高水準である。電気サーボモータ式振動試験機の受注増加も寄与して、中期的に収益拡大基調が期待される。   株価の動きを見ると、1月高値1466円から反落して調整局面だったが、4月9日の直近安値1030円から切り返しの展開となり、5月12日発表の前期業績増額修正、5月15日発表の今期増収増益・増配見通しも好感して出直りの動きを強めている。5月27日には1347円、6月2日には1340円まで上値を伸ばした。   6月2日の終値1340円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS111円31銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間55円で算出)は4.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS581円08銭で算出)は2.3倍近辺である。日足チャートで見ると目先的な過熱感もあるが、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して強基調に転換した形だ。足元で4%近辺の高配当利回りも注目点であり、今期増収増益見通しを評価して1月高値1466円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
タイヤ用バランシングマシンの国際計測器<7722>(JQS)の株価は4月の直近安値から切り返し、さらに前期(14年3月期)業績と配当の増額修正、今期(15年3月期)増収増益・増配見通しを好感して出直りの動きを強めている。
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2014-06-03 09:15