インタースペースは今期業績見通し増額の可能性も評価し出直り
ネット広告のインタースペース <2122> (東マ)の株価は急騰した13年12月高値後の反動調整局面でボックス展開だが、足元ではレンジ下限から切り返しの動きを強めている。調整が一巡したようだ。今期(14年9月期)業績見通しに増額の可能性もあり、強基調に転換して出直り展開だろう。
アフィリエイト(成果報酬)型のインターネット広告事業を主力として、コンテンツやソーシャルアプリなどのメディア運営事業も展開している。インターネット広告事業は、アフィリエイトサービス「アクセストレード」を中心に事業展開し、携帯電話ショップをネットワーク化した店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も日本最大規模の店舗ネットワークに成長している。
中期成長に向けた重点戦略として、インターネット広告事業では自社プロダクト重視によるアフィリエイト強化や利益率改善、メディア運営事業では既存事業の拡大・収益改善や新規メディア領域への投資、そして海外事業では中国などでの営業強化を掲げている。
アライアンス戦略では、13年10月にモバイル広告ネットワーク事業の米アーキと戦略的業務提携、13年11月にO2Oマーケティングソリューション事業のモギーと資本業務提携、13年12月に中国・上海の子会社ISUCが中国最大のアフィリエイトネットワーク「億起発(イーチーファー)」を提供するEMAR(イーマー)と業務提携した。14年5月にはクーポン情報メディア「クーポンランド」運営のサイファに出資した。
5月8日に発表した今期(14年9月期)第2四半期累計(13年10月~14年3月)の連結業績(5月1日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比11.9%増の78億79百万円、営業利益が同92.6%増の4億49百万円、経常利益が同92.1%増の4億50百万円、純利益が同3.0倍の2億54百万円だった。インターネット広告事業、メディア運営事業とも好調に推移した。四半期ベースで見ると第2四半期(1月~3月)は過去最高の売上高、営業利益となった。
第2四半期累計をセグメント別に見ると、インターネット広告事業は売上高が同10.0%増の71億95百万円、営業利益が同24.9%増の4億29百万円だった。アフィリエイトサービス「アクセストレード」は金融・サービス・Eコマース関連などが好調で同4.3%増収だった。店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」は新規店舗ネットワークの開拓に加えて、消費増税前の駆け込み需要で携帯端末販売が大幅に増加したことも寄与して同31.3%増収だった。
メディア運営事業は売上高が同37.8%増の6億83百万円、営業利益が20百万円の黒字(前年同期は1億10百万円の赤字)だった。ママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」のユニークユーザー数増加に伴ってメディア広告売上が大幅に増加した。恋愛ソーシャルゲームもAmeba向け13年7月リリースの「愛しのショコラティエ」や、14年1月リリースの「プリンセス・クローゼット」のダウンロード数増加などによって大幅増収だった。
通期連結業績見通しは前回予想(13年11月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.7%増の165億円、営業利益が同8.5%増の6億42百万円、経常利益が同7.1%増の6億39百万円、純利益が同61.7%増の3億19百万円としている。純利益については子会社ののれん減損損失一巡も寄与する。
インターネット広告事業では、主力の「アクセストレード」の好調が牽引して新サービスも寄与する。メディア事業では、女性向け恋愛ソーシャルゲーム「愛しのショコラティエ」や「プリンセス・クローゼット」の好調、ママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」のユニークユーザー数拡大などで収益が改善する見込みだ。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.8%、営業利益が69.9%、経常利益が70.4%、純利益が79.6%となり、利益進捗率が高水準である。店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」で発生した消費増税駆け込み需要の反動減を考慮しても、通期利益は増額の可能性があるだろう。インターネット広告市場は拡大基調であり、中期成長力に対する期待も高まる。
株価の動きを見ると、2月以降は概ね900円~1200近辺のレンジでボックス展開が続いている。5月1日には第2四半期累計の利益増額修正を好感して1250円まで急伸する場面があったが、買いが続かず全般地合い悪化も影響して反落した。しかし足元では5月21日の直近安値890円から切り返しの動きを強め、6月2日には1043円まで上伸する場面があった。調整が一巡した可能性があるだろう。
6月2日の終値1030円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円26銭で算出)は22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は0.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS360円24銭で算出)は2.9倍近辺である。ボックスレンジ下限から切り返しの動きとなり、日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。強基調に転換して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ネット広告のインタースペース<2122>(東マ)の株価は急騰した13年12月高値後の反動調整局面でボックス展開だが、足元ではレンジ下限から切り返しの動きを強めている。
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2014-06-03 09:15