アーバネットは大幅営業増益見通しや高配当利回りで出直り
投資用マンション開発・販売のアーバネットコーポレーション <3242> (JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して軟調展開だったが、5月20日の安値から切り返しの動きを強めている。底打ちした可能性もあるだろう。今期(14年6月期)大幅営業増益見通しであり、低PERや高配当利回りも評価して出直り展開だろう。
東京23区で投資用・分譲用マンションの開発・販売事業を展開している。マンションに対する投資・購入マインドは旺盛であり、REITやファンドによる投資用マンションの購入も活発化だ。日銀による異次元金融緩和、20年東京夏季五輪、脱デフレに向けた日本経済再生の流れが追い風であり、投資用マンション市場は拡大基調が期待される。
5月8日に発表した今期(14年6月期)第3四半期累計(7月~3月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比41.7%増の68億79百万円、営業利益が同53.8%増の8億14百万円、経常利益が同51.6%増の6億63百万円、純利益が同横ばいの5億58百万円だった。純利益は法人税等調整額の影響で横ばいだったが、不動産開発販売の好調が牽引し、売上総利益率の上昇や一般管理費の圧縮も寄与して大幅営業増益だった。
セグメント別売上高を見ると、不動産開発販売は投資用ワンルームマンション7棟(333戸)および共同事業による土地売却2物件で同39.1%増の66億43百万円、不動産仕入販売が分譲用コンパクトマンションの買取再販1棟(3戸)で1億62百万円(前年同期はなし)、その他は不動産仲介・賃貸などで同7.1%減の73百万円だった。
通期の業績(非連結)見通しは前回予想(1月16日に営業利益と経常利益を増額、純利益を減額)を据え置いて、売上高が前期比41.0%増の100億円、営業利益が同47.8%増の11億20百万円、経常利益が同46.4%増の9億20百万円、純利益が同1.3%減の7億15百万円としている。純利益については法人税等調整額が影響して微減益見通しだが、営業利益と経常利益については、買取再販物件の最終利益率が想定を上回ったことも寄与して大幅増益見通しだ。
高額物件を中心に投資用マンションの販売は好調であり、在庫不足の状況が続いて価格上昇傾向も強めているようだ。また建設コスト上昇による売上総利益率の低下傾向に対応するため、新規開発物件の購入をより積極的に進めるとともに、15年2月竣工予定の「アジールコフレ新中野」の分譲準備を開始している。来期(15年6月期)も好業績が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、1月の戻り高値325円から反落後は全般地合い悪化も影響して軟調展開が続いたが、5月20日の安値210円から切り返しの動きを強めている。6月2日には245円まで上値を伸ばす場面があった。5月20日の安値で底打ちした可能性があるだろう。
6月2日の終値243円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS34円64銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円50銭で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績のBPS128円12銭で算出)は1.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。さらに週足チャートで見ると戻りを押さえている13週移動平均線突破の動きを強めている。5月20日安値で底打ちして強基調に転換した可能性があり、低PERや高配当利回りも評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
投資用マンション開発・販売のアーバネットコーポレーション<3242>(JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して軟調展開だったが、5月20日の安値から切り返しの動きを強めている。底打ちした可能性もあるだろう。
economic
2014-06-03 09:15