【為替本日の注目点】円安株高で1ヶ月振りのドル高水準、ドル買い材料が揃う

 NY市場  ドル円は東京時間で上昇し102円台に乗せた流れを受けさらに上昇。経済指標や株高、長期金利の上昇を手がかりに102円49銭まで買われ、1ヶ月振りのドル高水準を記録。その後やや下落するも高値圏で引ける。  ドル高が進み、ユーロドルも再び1.36台を割り込む。ドイツの消費者物価指数が予想を下回ったことでユーロ売りが進み1.3588まで売られた。  株式市場はISM製造業景況指数が発表後2度も訂正されたこともあり、動きが定まらずまちまち。ダウとS&P500は最高値を更新し、ナスダックは小幅に下落。  債券相場は大幅に反落。製造業景況指数が前月を上回ったことや株高を背景に売り物が膨らんだ。長期金利は約1ヶ月振りに2.52%台まで上昇。  金はドル高に押され6日続落。原油も続落し102ドル台に。  5月ISM製造業総合景況指数 →  55.4   ドル/円 102.04 ~ 102.49  ユーロ/ドル 1.3588 ~ 1.3628  ユーロ/円 138.82 ~ 139.31  NYダウ +26.46 → 16,743.63ドル  GOLD -2.00  → 1,244.00ドル  WTI -0.24  → 102.47ドル  米10年国債 +0.057  → 2.527%  本日の注目イベント  豪   豪4月小売売上高   豪   RBAキャッシュターゲット   日   5月マネタリーベース   中   中国 5月非製造業PMI    中   中国 5月HSBC製造業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏4月失業率   欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)   米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演   ドル円は昨日の東京時間に102円台に乗せ、102円09銭まで上昇しました。日経平均株価が予想以上に伸び、一時は先週末比330円ほど上昇する場面もあり、株価の下落によるドル安の懸念がやや後退しています。それでも102円台に乗せると、実需などのドル売りも旺盛で、重要なレジスタンスである102円20-30銭近辺を抜けたのはやはり海外市場でした。  NYではドル買い材料が揃い、一時は102円49銭まで上昇し、上記レジスタンスの上抜けに成功しています。ISM製造業景況指数が途中2度も訂正されながらも、結局前月を上回り、株式市場ではダウ平均とS&P500が史上最高値を更新し、さらに、これまでドル円の上値を抑えてきた長期金利は1ヶ月振りに2.52%台まで上昇し、ドル高を牽引しました。  ドル円は102円に入ると売りに押され、徐々に103円が遠くなっていましたが、「米金利低下」という重石が一旦取れたようにも思え、今度は100円割れが遠のいてきた印象があります。まだこのまま昨年末のような明確な上昇トレンドに入ったとは思えませんが、徐々に上値でのドル売りをこなして緩やかなドル高が進むことは十分考えられます。  テクニカルを見ると、「8時間足」までの短期的な時間足では、重要な移動平均線は全て上抜けが完了しています。また「MACD」もプラス圏に入っており、上昇機運が伺えます。「日足」では、102円50銭前後に「雲」があり、その上の102円70銭には「120日線」が控えているため、102円50-70銭辺りが次の重要なレジスタンスと考えられます。ただこの「雲」の厚さをみると、それ程厚みもなく、材料次第では抜くことはそれ程難しくないと予想されます。また102円台半ばを大きく超えれば、「ストップ」のドル買いも持ち込まれる可能性があります。  今年も約半分が過ぎ、ドル円は市場が予想した動きと逆行しているのが現状です。日米のファンダメンタルズや金融政策の違いが昨年末と変わっていないとすれば、日柄的にもそろそろ変化のタイミングを迎えてもおかしくありません。103~105円に向かうにはまだ簡単ではありませんが、好調な米景気に伴う日米金利差の拡大で年後半には、ドルが堅調に推移していくというメインシナリオは維持しておきたいと思います。  本日も為替が円安に振れたことで株価は堅調に推移しそうです。日経平均株価が1万5000円に乗せ、この大台を維持できれば、上記重要な水準を試す動きも考えられます。102円~102円80銭程度を予想レンジにしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は東京時間で上昇し102円台に乗せた流れを受けさらに上昇。経済指標や株高、長期金利の上昇を手がかりに102円49銭まで買われ、1ヶ月振りのドル高水準を記録。その後やや下落するも高値圏で引ける。
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2014-06-03 09:15