GTSはもみ合いもがんバイオ原薬のアライアンス活動の進展で下げ過ぎ訂正期待根強い
ジーンテクノサイエンス(GTS) <4584> (東マ)は、50円高の2182円まで上げて5営業日続伸して寄り付いたあと、57円安と下ぶれるなど前日終値を挟むもみ合いを続けている。今年5月21日につけた上場来安値1505円から底上げ途上にあり、利益確定売りも交錯している。ただ、下値には同社の主力バイオ薬の好中球減少症治療薬「G-CSF」が、導出先の富士製薬工業 <4554> や持田製薬 <4534> で順調な販売推移を示しているほか、同薬から化学修飾して製造される開発原薬「PEG-G-CSF」の世界的なアライアンス活動がスタートしたことで、業績成長を期待するバイオベンチャー株買いは根強く続いている。
■「PEG-G-CSF」の全世界5000億円超市場のシェア獲得
「PEG-G-CSF」は、「G-CSF」の次世代医薬品で「G-CSF」を原料に製造されるため、すでに「G-CSF」を保有する企業でないと参入が難しい開発品と位置付けられ、世界でも同薬保有企業は限定的となっている。同社は、同薬を国内医薬品2社に導出して昨年5月から発売済みで各医療機関に導入が進んでいるが、同原薬の製造プロセスが開発され、良好なデータが得られたことから、非臨床試験の準備に着手する一方、グローバルなアライアンス(提携)活動を開始すると今年2月に発表した。
「G-CSF」と「PEG-G-CSF」合計の全世界の売り上げは、5000億円超と「G-CSF」の国内市場の約20倍と推定されており、同社は、先行優位性をテコにグローバル市場でのシェア獲得を目指す。
一方、同社の業績は、いったん下方修正した前期業績を昨年10月には第2四半期累計業績、今年3月には3月通期業績を各上方修正、前期通期純利益は、5億1900万円の赤字(前々期は3億7700万円の赤字)と連続赤字幅を縮小して着地した。今3月期業績は、バイオ医薬品の研究開発がピークとなり、研究開発費総額が8億1721万円と先行するため赤字幅が拡大し、純利益は9億4800万円の赤字と見込んでいるが、これはボトムラインでアライアンス活動の進展などの業績への見積もりが可能になった段階で業績修正をするとしている。
■アライアンス活動発表の今年2月にストップ高するなど急騰実績
株価は、昨年11月に公開価格1200円で新規株式公開(IPO)され、1550円で初値をつけたあとバイオ関連人気を高めて上場来高値1万1140円まで公開価格比9.2倍の大化けを演じ、ここから上場来安値1212円まで調整、「PEG-G-CSF」の今年2月のアライアンス活動開始発表でストップ高して2899円とリバウンドする場面もあったが、今期業績の赤字拡大予想が響き年初来安値1505円まで再調整した。同安値から700円幅の底上げをしてこれまで上値抵抗線となってきた25日移動平均線を上抜けてきており、2月の急伸場面への連想を強めさらにリバウンド幅の拡大が続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ジーンテクノサイエンス(GTS)<4584>(東マ)は、50円高の2182円まで上げて5営業日続伸して寄り付いたあと、57円安と下ぶれるなど前日終値を挟むもみ合いを続けている。
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2014-06-03 11:30