米国市場の上昇の要因

 現在の株高を牽引しているのが社債などの借金をしてでも自社株を買い上げる構図が米国で起きておりそのため相場の上昇が継続していると説明をしました。  スペインや、ギリシャなどの債券をブラックロックは売却したとされますが、これはスペイン、イタリアなどの10年債金利利回りが米国とほとんど同じ水準にまで落ち込んだ(それだけ需要があった)ことから、現在はその資金が米国債に流れてきただけではないかという考えを個人的に持っています。現在、米国債利回りが低下してドル/円に円高圧力が掛っていますが、昨日の米国債利回りのチャートでは、たくり足という反転パターンが出現しており、逆回転が起こる可能性も出ています。  米国債利回りが上昇するという意味です。同時にユーロに関してはノンコマーシャルが3万枚(1枚1350万)も売却したことで需給関係からユーロ売りに繋がっているだけでしょう。当然、ドラギ発言がそのきっかけになったのは、皆も理解出来ている話し。現在のユーロドル相場では下落の幅も小さくなってきており、こちらも巻き戻しが起こってもおかしくない状況です。  さて、米国の公的・民間年金(大学基金など)も含めて6兆ドルの資金が利回りを求めて米国債を購入するのも頷ける話で、仮に10%が資金シフトすればそれだけで、FRBが進めるQEと同資金が流入する計算になり、そのインパクトは大きいです。(10%で6000億ドルです。)  テーパリングが進んでいるから米国債が売却され、米金利が上昇するという一般的な見通しが覆されているのも、結局は引き続きFRBが資産買い入れを継続していること、年金のリバランス、ショートカバーなど米国債購入に動いていと考えられるし、ベルギーが米国債の購入を加速させていることなどを考えるとまだまだ米国は低金利を継続させるのかもしれません。  その視点に立ったとき、米国で低金利で誰が喜ぶか?  資金を借り入れる側の存在です。  米銀は貸預金利の差が縮小し、収益を生み出せなくなりますが、企業は社債などの発行を通じて資金調達し、自社株に資金購入を継続させる道筋ができているのではないか?  そうなると、第1四半期で1600億ドルの自社株買いを実施した米国企業は、これから2007年に実施した5600億ドル規模の自社株買いを上回るのは必至。アップルやIBMなど含め、先日は2年で2兆円規模の自社株買い計画を発表したマクドナルドなど引き続き、ROE至上主義の姿勢は継続している様子です。  誰が、米国の高い株を買うか・・そりゃ、企業でしょ?という構図。  そのための、低金利政策であればもちろん、低金利は米国にとってポジティブと考えるしかないと考えます。(情報提供:株式会社アイリンクインベストメント)
現在の株高を牽引しているのが社債などの借金をしてでも自社株を買い上げる構図が米国で起きておりそのため相場の上昇が継続していると説明をしました。
economic
2014-06-03 15:30