トーソーは下値固めは完了、低PBRも支援材料に出直り
カーテンレールやブラインド類大手のトーソー <5956> (東2)の株価は、3月期末配当権利落ち後に水準をやや切り下げ、4月以降は概ね450円~480円近辺でのモミ合い展開が続いている。しかし下値固めは完了しているようだ。低PBRも支援材料であり、きっかけ次第で出直り展開だろう。
カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなど介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、インドネシア生産子会社の機能拡大、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大を掲げている。
5月8日に発表した前期(14年3月期)連結業績(2月13日に減額)は売上高が前々期比7.0%増の239億25百万円、営業利益が同17.2%増の10億32百万円、経常利益が同17.2%増の10億10百万円、純利益が同51.4%減の1億99百万円だった。配当予想は前々期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)とした。純利益は希望退職者募集に伴う退職特別加算金、および貸倒引当金繰入額の計上で減益だったが、室内装飾関連事業が好調に推移して増収、営業増益だった。
セグメント別に見ると、室内装飾関連事業は売上高が同7.3%増の236億01百万円、営業利益が同17.6%増の10億34百万円だった。堅調な新設住宅着工や住宅リフォーム需要も追い風となり、展示会開催などの営業強化策も寄与して、カーテンレールおよびブラインド類の高付加価値製品が好調だった。その他事業は売上高が同8.3%減の3億23百万円、営業利益が1百万円の赤字(前々期は1百万円の利益)だった。ステッキを中心とした介護関連用品の販売を強化したが、新製品の浸透遅れなどが影響した。
今期(15年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比2.4%増の245億円、営業利益が同11.4%増の11億50百万円、経常利益が同8.9%増の11億円、純利益が同3.0倍の6億円としている。配当予想は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)とした。
住宅分野では消費増税前駆け込み需要の反動減が懸念されるものの、非住宅分野の好調、展示会開催などの営業強化、遮光・遮熱効果の高いカーテンレールやブラインドなど高付加価値製品の拡販で増収増益見込みだ。純利益は特別損失の一巡も寄与する。
株価の動きを見ると、3月期末配当権利落ちや地合い悪化の影響で水準をやや切り下げて、4月以降は概ね450円~480円近辺でのモミ合い展開となった。ただし450円台を割り込む動きは見られず、下値固めは完了しているようだ。なお6月2日に立会外分売を発表し、6月3日に実施した。分売株式数は5万株で分売値段は449円だった。
6月3日の終値469円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円50銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS975円99銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで調整局面だが450円近辺で下げ渋る形だ。足元では13週移動平均線突破の動きを強めている。低PBRも支援材料であり、きっかけ次第で出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
カーテンレールやブラインド類大手のトーソー<5956>(東2)の株価は、3月期末配当権利落ち後に水準をやや切り下げ、4月以降は概ね450円~480円近辺でのモミ合い展開が続いている。
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2014-06-04 07:15