松田産業は5月安値から反発して底打ち、低PBRも支援材料

  貴金属リサイクル事業の松田産業 <7456> の株価は、全般地合い悪化も影響して軟調展開が続いたが、5月19日の安値1117円から反発して足元では1200台に戻している。底打ちして強基調に転換した可能性があり、低PBRも支援材料として出直り展開だろう。   貴金属リサイクルを主力とする貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。海外展開は東アジアを中心に拠点網の拡充を推進し、貴金属関連事業では中国、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、食品関連事業では中国、タイに展開している。   5月12日に発表した前期(14年3月期)連結業績(2月12日に2回目の減額修正)は売上高が前々期比1.1%減の1654億16百万円、営業利益が同19.1%減の45億03百万円、経常利益が同19.6%減の48億93百万円、純利益が同20.3%減の31億92百万円だった。食品関連事業の収益が改善したが、貴金属関連事業の需要回復が遅れて減収減益だった。配当予想は前々期と同額の年間24円(第2四半期末12円、期末12円)とした。   セグメント別に見ると、貴金属関連事業は売上高(内部取引等消去前)が同5.5%減の1181億24百万円、営業利益が同26.2%減の37億17百万円だった。貴金属部門では白金族製品が増加したが、金製品、銅製品、電子材料が減少した。需要回復が想定より遅れた。環境部門では産業廃棄物の取扱量が増加したが、写真感材回収による銀の数量が減少した。食品関連事業は売上高が同11.7%増の473億52百万円、営業利益が同48.6%増の7億85百万円だった。水産品・畜産品の販売数量が増加して、営業損益も大幅に改善した。   今期(15年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比2.8%増の1700億円、営業利益が同4.4%増の47億円、経常利益が同2.2%増の50億円、純利益が同2.4%増の32億70百万円としている。配当予想は前期と同額の年間24円(第2四半期末12円、期末12円)とした。   貴金属関連事業の需要回復に不透明感が強いとして前期比微増収、微増益の計画のようだが、主力顧客である半導体・電子部品業界の生産は回復基調であり、国内外での拠点強化や新規需要開拓などの施策も奏功して上振れ余地があるだろう。   なお5月12日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限8万株、取得価額総額の上限1億円、取得期間14年5月13日~6月6日)については、5月30日時点で取得株式総数が6万5400株、取得価額総額が7632万3700円となった。   株価の動きを見ると、1月の戻り高値圏1400円近辺から反落し、地合い悪化も影響して軟調展開だったが、5月19日の安値1117円から急反発の展開となった。6月3日には4月2日以来の水準となる1244円まで戻す場面があった。自己株式取得も支援材料となって、5月19日安値で底打ちした可能性があるだろう。   6月3日の終値1224円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS121円62銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1778円38銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に続いて75日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して26週移動平均線に接近している。5月19日安値で底打ちして強基調に転換したようだ。低PBRも支援材料となって出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
貴金属リサイクル事業の松田産業<7456>(東1)の株価は、全般地合い悪化も影響して軟調展開が続いたが、5月19日の安値1117円から反発して足元では1200台に戻している。
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2014-06-04 09:00