オープンハウスは出直り本格化、IPO後の高値試す

  総合不動産のオープンハウス <3288> の株価は安値圏1600円台で下値固めが完了し、出直りの動きが本格化している。足元では2400円近辺まで切り返している。今期(14年9月期)大幅増収増益見通しを評価して、IPO後の13年11月高値2770円を試す展開だろう。   13年9月東証1部市場に新規上場した。東京23区および神奈川県横浜市・川崎市を営業エリアとして、当社が不動産仲介事業、子会社オープンハウス・ディベロップメント(OHD)およびその子会社OHリアルエステート・マネジメント(OHREM)などが不動産販売事業(戸建住宅分譲、土地分譲、建築請負、マンション分譲、不動産流動化など)、子会社アイビーネット(IBN)が不動産金融事業、そして海外は米国子会社が不動産販売事業を展開している。   不動産仲介事業を営む会社として1997年に創業し、不動産販売事業、不動産金融事業へ業容を拡大した。このため施工の一部を除いて、事業用地の取得から企画・設計・販売、さらに仲介までグループ内で完結できる「製販一体型」の事業運営を特徴としている。   戸建住宅分譲では資金効率を高めるためエリア特性に応じた「売建」と「建売」の組み合わせ、マンション分譲では事業用地のポテンシャルを最大限に発揮するタウンハウス型の小規模マンションを基本戦略として、大手建売住宅会社では商品提供が難しい狭小な土地での商品提供を強みとしている。中期的には独立系の総合不動産会社を目指して、既存事業の機能補完、首都圏への営業エリア拡大、新規分野として中規模都市型マンションへの展開も強化する方針だ。   5月15日に発表した今期(14年9月期)第2四半期累計(13年10月~14年3月)連結業績(5月7日に利益を増額)は、売上高が549億93百万円、営業利益が75億57百万円、経常利益が70億72百万円、純利益が42億03百万円だった。前年同期は連結財務諸表を作成していないが、実質的に54.2%増収、3.2倍営業増益、3.6倍経常増益、3.3倍最終増益だった。   売上総利益率は3.7ポイント上昇の19.9%となり、期初時点の計画を上回る水準だった。消費増税前のマンション引き渡し件数の大幅増加や、不動産流動化業務の売上総利益率上昇が寄与した。販管費・一般管理費では、東証1部上場による知名度上昇効果で、広告宣伝費や販売促進費が減少したことも寄与した。   セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、不動産仲介事業は営業拠点拡充効果などが奏功して件数が19.9%増の820件、売上高が17.2%増の25億72百万円、営業利益が28.7%増の8億40百万円だった。不動産販売事業はマンション引き渡し増加などで売上高が56.0%増の534億29百万円、営業利益が4.1倍の67億05百万円だった。不動産金融事業は売上高が1億90百万円、営業利益が76百万円だった。   不動産販売事業の売上高の内訳は、戸建業務(戸建住宅分譲、土地分譲、建築請負)が13.2%増の858件で13.5%増の315億05百万円、マンション業務が5.2倍の224件で5.8倍の147億68百万円、流動化業務が2.1倍の19件で2.2倍の70億26百万円、その他が1億29百万円だった。   通期連結業績見通しは、前回予想(5月7日に利益を増額修正)を据え置いて売上高が前期比18.6%増の1150億円、営業利益が同34.5%増の137億円、経常利益が同37.3%増の126億円、純利益が同36.0%増の77億円としている。流動化業務が大幅増収となり、売上総利益率も押し上げる見込みだ。   なおマンション業務は通期引き渡し予定物件406戸に対して、14年5月19日時点で販売契約率は99.5%となっている。また当社の戸建住宅は、消費増税後の住宅ローン減税(控除限度額の拡大)の恩恵を他社より多く享受することが可能であり、全体として消費増税の影響は軽微のようだ。東京23区の人口は転入超過と世帯数の増加傾向が続いている。こうした市場環境も背景として中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動き(13年9月20日の新規上場で公開価格1780円に対して初値2100円)を見ると、13年11月高値2770円から反落後は2月安値1490円まで調整する場面があった。その後は1600円台で下値固めが完了し、5月以降は切り返しの展開となった。足元では2400円近辺まで上伸して出直りの動きが本格化している。   6月3日の終値2380円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS274円75銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1069円17銭で算出)は2.2倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も突破して上伸している。目先的には過熱感もあるが強基調に転換した形であり、13年11月高値2770円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
総合不動産のオープンハウス<3288>(東1)の株価は安値圏1600円台で下値固めが完了し、出直りの動きが本格化している。足元では2400円近辺まで切り返している。
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2014-06-04 09:15