イーピーミントは営業損益改善を評価して上げ足速める可能性
SMO(治験施設支援機関)大手のイーピーミント <6052> (JQS)の株価は小動きだが、2月安値1235円から下値切り上げの動きを継続している。指標面には割安感があり、今期(14年9月期)の営業損益改善を評価して上げ足を速める可能性もあるだろう。
イーピーエス <4282> の連結子会社で、臨床試験を実施する医療機関向けサイトサポート業務(治験事務局運営管理)やCRC(臨床試験実施をサポートする治験コーディネーター)業務などのSMO事業を主力として、臨床研究なども展開している。
がん・循環器系・脳神経外科などの高難易度領域に強みを持ち、全国展開によるネットワークで前期(13年9月期)末の契約医療施設数は約2500施設に達している。また13年3月に綜合臨床サイエンスと業務提携し、地域・疾患領域・提携医療機関の種類などで補完体制を構築している。
SMO市場の拡大、当社を含むSMO大手3社による寡占化進展という事業環境を背景として、親会社イーピーエスおよびグループ各社との連携も強化しながら18年9月期売上高80億円~100億円を目指している。
重点戦略としては、大病院など優良医療機関との提携拡大や新規開拓、治験体制の整備、がん領域の拡大、プロジェクト管理体制の強化と生産性向上、臨床研究への取り組み強化と受託拡大、M&A・アライアンス戦略などを強化する方針だ。
今期(14年9月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(13年11月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.0%増の65億円、営業利益が同2.2倍の9億円、経常利益が同2.2倍の9億08百万円、そして純利益が同2.4倍の5億63百万円としている。受注高は同18.4%増の70億46百万円、期末受注残高は同6.9%増の84億15百万円の計画だ。
優良医療機関との提携拡大などの施策も奏功して、受注は高難易度領域が堅調であり、前期低調だった生活習慣病領域も回復傾向を強めている。利益面では増収効果に加えて、プロジェクト管理体制の強化、人員配置の効率化、稼働率の上昇、生産性の向などが寄与して、売上総利益率の大幅改善が営業利益押し上げ要因となる。
第2四半期累計(13年10月~14年3月)は前年同期比13.1%増収、同8.4倍営業増益、同8.4倍経常増益、同15.7倍最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が48.8%、営業利益が53.2%、経常利益が53.2%、純利益が49.9%と概ね順調な水準だった。第3四半期(4月~6月)以降も売上総利益率の改善が継続し、通期営業利益上振れの可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、やや上値が重く小動きだが、2月安値1235円を直近ボトムとして、3月安値1281円、4月安値1300円、そして5月安値1320円と徐々に下値を切り上げている。足元は1350円~1450円近辺でモミ合う展開のようだ。6月3日は1353円まで調整したが、レンジ下限に到達して切り返しのタイミングだろう。
6月3日の終値1353円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS146円56銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS922円84銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を挟んでモミ合い展開だが、日足チャートで見ると75日移動平均線に到達して切り返しのタイミングのようだ。指標面には割安感があり、今期の営業損益改善を評価して上げ足を速める可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
SMO(治験施設支援機関)大手のイーピーミントの株価は小動きだが、2月安値1235円から下値切り上げの動きを継続している。指標面には割安感があり、今期(14年9月期)の営業損益改善を評価して上げ足を速める可能性もあるだろう。
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2014-06-04 09:15