フォーカスシステムズは切り返し、割安感支援材料に出直り

  システム構築・運用のフォーカスシステムズ <4662> (JQS)の株価は、5月中旬に新興市場全体の軟調ムードも影響して600円~650円近辺のモミ合いから下放れる場面があったが、5月安値から切り返しの動きを強めている。今期(15年3月期)業績見通しに上振れ余地があり、指標面の割安感も支援材料として出直り展開だろう。   公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。顧客別に見るとNTTデータ <9613> 関連、日本IBM関連を主要顧客としている。また民間関連事業では従来の関東圏・近畿圏に加えて、東海圏にも拠点展開して営業を強化している。   5月8日に発表した前期(14年3月期)業績(非連結)(2月7日に増額修正)は、売上高が前々期比14.5%増の141億46百万円、営業利益が同2.0倍の8億87百万円、経常利益が同2.0倍の8億49百万円、純利益が同89.0%増の4億55百万円だった。配当予想は同5円増配の年間20円(期末一括)(普通配当10円+特別配当10円)とした。   期初時点では名古屋への拠点展開など先行投資負担で減益見込みとしていたが、各事業分野とも好調に推移して2月7日の増額修正値を上回る増収増益となった。顧客別に見ると日本IBM関連の売上高が大幅に増加したようだ。   セグメント別に見ると、公共関連事業は売上高が同8.3%増の46億68百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同33.1%増の7億11百万円だった。政府発信の「世界最先端IT国家創造宣言」に基づく公共案件が増加しているようだ。民間関連事業は売上高が同13.1%増の84億40百万円、営業利益が同4.2%増の9億68百万円だった。企業のITインフラ投資関連の受注が増加した。セキュリティ機器関連事業は売上高が同78.7%増の10億37百万円、営業利益が同4.5倍の2億83百万円だった。官公庁関連のサイバー犯罪対策製品が順調に増加した。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比2.5%増の145億円、営業利益が同1.4%増の9億円、経常利益が同横ばいの8億50百万円、純利益が同9.7%増の5億円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(期末一括)とした。今後数年の事業展開を睨んで技術者の採用・育成などへの投資を行うため、営業利益は微増の見通しとしている。ただし需要は高水準であり、上振れ余地があるだろう。   株価の動きを見ると、3月中旬以降は600円~650円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、5月中旬にモミ合いから下放れの動きとなり、5月19日に540円まで調整する場面があった。新興市場全体の軟調ムードも影響したようだ。ただし足元では580円~590円近辺まで戻している。目先的な売りが一巡して反発態勢だろう。   6月4日の終値586円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS72円22銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は3.4%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS726円46銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて反発した。サポートラインを確認した形であり、指標面の割安感も支援材料として出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム構築・運用のフォーカスシステムズ<4662>(JQS)の株価は、5月中旬に新興市場全体の軟調ムードも影響して600円~650円近辺のモミ合いから下放れる場面があったが、5月安値から切り返しの動きを強めている。
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2014-06-05 09:00