エイジアは15年3月期増収増益見通しを評価して出直り

  メール配信ソフト大手のエイジア <2352> (東マ)の株価は、急騰した1月高値1989円から反落して1200円~1400円近辺でのボックス展開となったが、足元ではレンジ下限から反発の動きを強めている。今期(15年3月期)増収増益見通しを評価して出直り展開だろう。   自社開発CRMアプリケーションソフト「WEBCAS」シリーズなどのアプリケーション事業を主力として、マーケティングコンサルティングなどのサービスソリューション事業も展開している。重点戦略として販売促進・マーケティング支援の事業領域をベースとして、Eコマース売上UPソリューションベンダーへの発展を目指している。   自社開発メール配信ソフトの導入実績は約1600社以上に達し、国内メール配信パッケージ市場でのシェアは1位である。14年5月には新サービスのデータベース作成システム「WEBCAS DB creator」の企業化(14年6月から提供)を発表した。   M&Aやアライアンス戦略も積極推進し、12年4月にECサイト構築・運営事業拡大に向けてシステムインテグレータ <3826> と資本・業務提携、12年12月にメールマーケティングコンサルティング事業拡大に向けてメールマガジン制作・運用支援のグリーゼと資本・業務提携、13年10月にメールマガジン戦略立案・企画・制作・分析サービスのFUCAを連結子会社化、14年1月にWebサイトソーシャル化支援サービスのフィードフォース社と業務提携している。   5月14日に発表した前期(14年3月期)の連結業績(5月12日に増額修正)は、売上高が10億07百万円、営業利益が2億42百万円、経常利益が2億38百万円、純利益が1億30百万円だった。前期第3四半期(10月~12月)からFUCAを子会社化して連結決算となったため単純比較はできないが、前々期の非連結ベースとの比較で見ると29.3%増収、79.3%営業増益、70.0%経常増益、2.7倍最終増益となる。   セグメント別売上高はアプリケーション事業が8億86百万円、サービスソリューション事業が1億17百万円、その他が2百万円だった。売上面では、ストック型収益となるクラウドサービスが好調に推移し、大型案件の受注やFUCAの連結も寄与した。クラウド関連の売上高は5億01百万円で前々期比25.8%増加した。利益面では利益率の高いアプリケーション事業の増収が牽引し、純利益は特別損失の減少も寄与した。   配当予想についても5月12日に増額修正した。前回予想に対して記念配当2円含む5円を増額して年間14円(期末一括)(普通配当12円+記念配当2円)とした。前々期との比較では6円50銭の増配となる。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは売上高が11億20百万円~11億80百万円(前期比11.2%増~17.2%増)、営業利益が2億45百万円~2億80百万円(同1.1%増~15.6%増)、経常利益が2億45百万円~2億80百万円(同2.5%増~17.2%増)、純利益が1億45百万円~1億65百万円(同11.0%増~26.3%増)としている。配当予想は同1円増配の年間15円(期末一括)とした。   主力のアプリケーション事業でクラウド関連売上高の2桁増収を見込み、FUCAの通期連結も寄与(前期は6ヶ月分の連結寄与)する。人員増強などの先行投資負担で増益率の鈍化を見込んでいるが、大型案件の引き合いが増加傾向であり、通期業績見通しに上振れ余地があるだろう。   株価の動きを見ると、急騰した1月高値1989円から反落後は1200円~1400円近辺のレンジでボックス展開となった。ただし急落した2月安値1102円水準まで下押す動きは見られず、下値固め完了感を強めている。足元はレンジ下限に到達して反発態勢のようだ。   6月4日の終値1274円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の上限値の連結EPS87円38銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS437円29銭で算出)は2.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、1200円近辺の下値支持線から反発の動きを強めている。今期増収増益見通しを評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
メール配信ソフト大手のエイジア<2352>(東マ)の株価は、急騰した1月高値1989円から反落して1200円~1400円近辺でのボックス展開となったが、足元ではレンジ下限から反発の動きを強めている。
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2014-06-05 09:00