中国が「巨大な市場から隔絶される」と警戒感・・・TPP日米交渉妥結後の加盟の難しさは、「WTOを凌ぐだろう」=中国メディア

 中国メディアの財経網は4日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を巡る日米交渉でせめぎ合いが続いていることについて、「世界1位と3位の経済大国による交渉はすでに大詰めを迎えているが、中国が推進している東アジア地域包括的経済連携(RCEP)はいまだに実質的な交渉すら行われていない」とし、中国はTPPによって世界の貿易から「蚊帳の外に追いやられる可能性がある」と危機感を示した。  記事はTPPやRCEPに積極的な姿勢を示しているカナダやニュージランドの政府関係者に対する取材の結果として、「中国のTPP加盟に関する意思とは無関係に、TPP加盟国はすでにこれ以上規模を拡大しないことで一致しており、協定のルールが固まってから他国の加盟申請を検討する方針であることが分かった」と報じた。  さらに、中国国内にはTPP加盟をめぐって議論が絶えないことを紹介し、関税撤廃や国有企業の改革、労働者の権利問題、環境保護や知的財産権など、「TPPに絡むあらゆる項目が中国にとっては敏感な問題だ」と主張。  一方で、カナダのエド・ファスト国際貿易大臣の発言として、「米国は将来的にTPPを大きく成長させたいと考えているが、現段階ではまず交渉を妥結させることが第一だ。明確な枠組みを作ってから他国の加盟を受け入れる」と伝え、中国国内で現時点で行われているTPP加盟をめぐる議論は「あまり意味のないもの」と論じた。  また、2013年末にはTPP交渉を終えるとしていたにもかかわらず、今なお交渉が続いていることについて、「TPPが果たして妥結できるのかは現時点では不明であり、日米がすり寄ることができるかがTPP推進の鍵になる」と指摘。米国の農産物と日本の自動車はそれぞれが長年守ってきた「核心的利益」である以上、TPPの妥結は困難を極めるとの見解を示した。  一方で、全面的な妥結がいつになるかは不明としながらも、交渉が毎月のように前進していることは注意すべき事実であると主張。  「TPPがどのような内容になろうと、中国が巨大な市場から隔絶されることは間違いなく、それによってマイナスの影響を受けることも不可避である」と警戒感を示し、日米のTPP交渉が妥結した後で中国が加盟を望めば極めて厳しい条件を受け入れざるを得ず、その難しさは「WTO加盟をはるかに凌ぐだろう」と伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの財経網は4日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を巡る日米交渉でせめぎ合いが続いていることについて、「世界1位と3位の経済大国による交渉はすでに大詰めを迎えているが、中国が推進している東アジア地域包括的経済連携(RCEP)はいまだに実質的な交渉すら行われていない」とし、中国はTPPによって世界の貿易から「蚊帳の外に追いやられる可能性がある」と危機感を示した。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic
2014-06-05 12:00