北京・天津・河北一体化計画「8エリア」設定へ・・・6月末にも発表
中国政府が進めている北京市・天津市・河北省の「一体化開発」の構想では、該当地域を4区4ベルトの計8エリアに分け、それぞれの特徴ある発展を追求する考えであることが分かった。早ければ6月末にも計画が発表されるという。中国新聞社などが報じた。
中国は1990年代前半に改革・開放を本格化させた。それぞれの地域で経済成長を達成することができたが、上海市や広東省など南部沿岸地域の発展ぶりと比べ、見劣りのする地域も多い。
特に北京・天津・河北は「首都圏」であるにもかかわらず、上海や広東と比べれば成長はにぶかった。日本の場合、東京を中心とする首都圏エリアの経済規模が全国の3分の1、韓国の場合にはソウル経済圏の規模は全国の6割程度とされる。中国は国土が大きく「首都圏への高度集中」は現実的でなく、弊害も大きいのは確実だが、それでも全国の10%前後しかない状況は「首都圏の立ち遅れ」を意味しているとされる。
かなり早い時期から、「地域別の縦割り行政」が立ち遅れの原因のひとつとの指摘があった。そのため、一時は北京市と天津市を合併する「大北京市構想」があったが、主に天津市側の反対により実現しなかった。
その後、天津市は市の活性化のために1994年、「浜海新区」を設立。同区を中心に北京市までを組み込んで一体化開発を進める構想は2005年に国家としての発展戦略になった。北京市・天津市・河北省の「一体化開発」は、河北省までを組み込み、産業の発展だけでなく自然保護も視野に入れた考えだ。
同構想では、まず中部核心機能区(北京、天津、廊坊、保定)、冀中南功能機能開拓区(石家庄、衡水、ケイ台、邯鄲)、臨海文化発展区(天津、唐山、滄州)、北部生態機能区(張家口、承徳、保定、北京、秦皇島)の4区を設ける(「ケイ」は「形」のつくり部分がおおざと。以下同じ)
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さらに、京津発展ベルト(北京、天津)、京保石発展ベルト(北京、天津、保定、石家庄、滄州、衡水、ケイ台、邯鄲)、京唐発展ベルト(北京、天津、唐山、秦皇島)、浜海発展ベルト(唐山、天津、滄州)を設ける。
北京市からは「首都機能に関係のない施設を移転させる」、河北省では「生産施設を受け入れる」、天津市は「北京市と河北省の連携を強化させる機能をもたせる」などの方策が考えられるという。
中国でビジネスを展開する場合、「自社の事業が最も求められている地域」を慎重に選ぶことが、成功の第1歩とされる。中国ではごく狭い範囲のコミュニティー幹部選出を除き普通選挙制度がないために、行政の担当者にとって「上部による評価」が地位を決めることになるからだ。進出先の選定は、市のレベル、さらに細かく区や県の共産党や行政上層部の意向を考慮する必要がある。
特に最近は、地域の経済規模を拡大した「量」に対する評価の比重がさがり「どの方向に発展させたか」との「質」が重視されるようになった。北京・天津・河北の一体化構想でも、例えば金融分野で北京市が求めるのは「管理機能」、天津市が求めるのは「実務機能」などとされている。今後は北京・天津・河北の3地域でビジネスの展開を考える場合、業種や分野に適合した進出拠点の選定が、これまで以上に重要になることは、間違いない。(編集担当:如月隼人)
中国政府が進めている北京市・天津市・河北省の「一体化開発」の構想では、該当地域を4区4ベルトの計8エリアに分け、それぞれの特徴ある発展を追求する考えであることが分かった。早ければ6月末にも計画が発表されるという。中国新聞社などが報じた。
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2014-06-05 12:30