ソフトバンク、愛がわかる人型ロボットを15年2月に日本先行発売

 ソストバンクは2014年6月5日、「感情認識機能」を搭載した人型ロボット「pepper(ペッパー)」を2015年2月にソフトバンクショップなどにおいて、日本で先行発売すると発表した。千葉県・舞浜の舞浜アンフィシアターで記者発表会を開催し、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、「pepperの発表は、将来に振り返って見ると、コンピュータにとって歴史的な日と位置づけられるようになるだろう」と、長年の夢に大きく踏み出す期待に胸を膨らませていた。(写真は、人型ロボット「pepper」を披露するソフトバンクグループ代表の孫正義氏。サーチナ撮影)  孫氏が強調したのは、「1949年にノイマン型コンピュータが誕生して以来、現在に至るまで、コンピュータは計算・記憶・検索など人間の“左脳”の働きを代替する機能を進化させてきた。今回発表するロボットは、感情や創造性など人間の“右脳”の働きに焦点をあてたコンピュータで、人類にとって転換点となる」ということ。人間の感情を理解し、「人が操作することによって動くのではなく、愛によって自律行動するロボットをめざす」と目標を掲げてみせた。  「pepper」は、フランスのAldebaran社(ソフトバンクグループが80%出資)が開発し、既に70カ国で5000体が導入されている人型ロボット「NAO」が搭載している「感情エンジン」と、「クラウドAI(人工知能)」を組み合わせた進化型ロボット。「生活に溶け込む、感情を持ったロボットを作りたかった」(Aldebaran社CEOのブルノ・メゾニエ氏)という柔らかなデザイン、そして、優れたスピーチテクノロジーと最適なジェスチャーを組み合わせて情報を発信するインターフェイスを持つ。  そのように人型ロボットとして基本的な構造ができているところへ、「クラウドAI」を組み合わせることによって、「新たな生き物のように、絶えず学び続け、進化し続けるロボット」になっている。孫氏は、「クラウドAI」の効果を、「あらゆる場面で、様々な人々に利用されている実データを集合知として、加速度的に成長をする」と表現した。  6月6日からソフトバンクの銀座店、そして、表参道店に設置され、リアルな場で接客をスタートする。その場で、交わされる対話等の情報は、「クラウドAI」に、さっそく蓄積されていくことになる。そして、今夏には東京の表参道と秋葉原に開発者の交流の場になるアトリエをオープン。9月には開発者向けのイベントを開催する。イベントではSDK(ソフトウエア・デベリップメント・キット)を配布し、「pepper」向けのアプリケーション開発が本格化する。  孫氏は、「pepper」について「アプリケーションソフトのプラットフォーム」と語っている。本体価格は19.8万円で、家庭用PCなみの価格で発売。全国のソフトバンクショップやオンライン通販で販売する計画だが、「本体価格では利益が望めない価格」という。「クラウドAI」に接続するための月額の利用料、また、魅力的なアプリの提供によるビジネスの広がりを期待している。  「pepper」の製造面でのパートナーは、iPhoneやiPadなど米アップル社の製品の製造で実績のあるFoxconn社。「まず日本でスタートし、近い将来は世界市場に広めていきたい」(孫氏)と将来を展望している。(取材・編集担当:徳永浩)
ソストバンクは2014年6月5日、「感情認識機能」を搭載した人型ロボット「pepper(ペッパー)」を2015年2月にソフトバンクショップなどにおいて、日本で先行発売すると発表した。(写真は、人型ロボット「pepper」を披露するソフトバンクグループ代表の孫正義氏。サーチナ撮影)
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2014-06-05 17:30