【為替本日の注目点】ECB緩和策でユーロ乱高下、今夜の米雇用統計下落への備えも
NY市場
ドル円はECBの政策発表を受け102円73銭までドル高が進んだが、その後ユーロドルが急反発したことから102円34銭まで下落。102円台半ばを挟んで方向感の出ない動きが続いた。
ECBの政策決定を受けユーロドルは乱高下。ECBがマイナス金利まで導入したことでユーロドルは一時、1.35割れ目前まで下落。しかしその後は急反発し、1.3670まで上昇するなど政策内容に対する反応に大きく動いた。
株価は続伸。ECBの緩和策を好感し、ダウは98ドル高と最高値を更新。S&P500も連日の最高値更新を記録。
債券相場は6日振りに反発。ECBの緩和策や、本日の雇用統計で雇用増のぺースが鈍化するとの見方が広がり、長期金利は2.58%台まで低下。
金は反発し、原油は小幅に続落。
新規失業保険申請件数 → 31.2万件
ドル/円 102.34 ~ 102.73
ユーロ/ドル 1.3503 ~ 1.3670
ユーロ/円 138.68 ~ 139.98
NYダウ +98.58 → 16,836.11ドル
GOLD +9.00 → 1,253.30ドル
WTI -0.16 → 102.48ドル
米10年国債 -0.022 → 2.584%
本日の注目イベント
日 4月景気動向指数
独 独4月鉱工業生産
独 独4月貿易収支
米 5月雇用統計
米 4月消費者信用残高
予想通りECBは包括的な緩和策に踏み切り、発表を受けてユーロはめまぐるしく乱高下し、難しい相場展開となりました。ドラギ総裁は記者会見で「今回のは意味の大きいパッケージだったと思う。しかし、これで終わりかと問われれば答えはノーだ」と語り、さらなる追加緩和の用意があることを匂わせています。
ECBは理事会で、中銀預金をマイナス0.1%に引き下げ、主要中銀では初めてとなる手段の導入を決めました。市場ではマイナス金利の導入もあり得ると予想されてはいましたが、その影響が未知数であることから導入を見送るとの見方もあり懐疑的でしたが、ドラギ総裁がよく口にする「何でもやる」といった言葉を実践した形になりました。
追加緩和は織り込み済みといった予想でしたが、マイナス金利まで導入したことで、発表直後にはユーロ売りが加速し、ユーロドルは1.3503まで売られ、約4ヶ月振りの安値を記録しましたが、その後は急反発し1.3670まで買い戻されるなど、難しい相場展開でした。ユーロ円もユーロドルの動きに連動する形で、138円台半ばから140円近辺まで値を飛ばしています。
ECBはマイナス金利に加え、政策金利を史上最低の0.15%に引き下げ、経済で与信を必要とする部分への流れを促すため、銀行融資に連動する4000億ユーロ(約55兆8000億円)規模の流動性供給措置も発表し、さらに資産担保証券(ABS)購入に向けた作業も開始することになっています。景気の回復力が弱く、インフレ率もECBが目標とする2%にはほど遠く、行動を起こさざるをえない状況だったと思われます。
今回の政策内容については「予想より少しだけ強い措置だった」(ブルームバーグ)という見方がコンセンサスかと思われますが、その効果についてはしばらく時間が必要のようです。これだけ急激に動くと、ユーロドルもユーロ円もテクニカルが機能しなくなりそうですが、ユーロ円については今回の下落でも「200日線」(日足)を割り込まずに反発しており、この移動平均線は下値のメドとして意識されます。
ドル円も足許では102円台を固めているような動きと捉えていますが、上値のメドである102円80銭から103円を抜けるには材料が足りません。今夜の雇用統計がその材料になる可能性はありますが、21万人増加と予想されている非農業部門雇用者数が昨日のNY市場では下振れするとの見方が広がったとの報道もあり、下落への備えも必要かもしれません。個人的には20万人を大きく割り込まない限りドルの大幅な下落はないものと予想しています。本日のレンジは101円80銭~103円20銭程度と、イベントリスクがあるためややワイドに見ています。
新聞によると、近年、子供の虫歯が激減しているそうです。70年代には国全体で子供の9割超に虫歯があったが、現在は中学生や幼稚園児では5割を切っているそうです。少子化に歯止めがかからず、子供の虫歯が減っている現在の状況が続けば30年後には街の歯医者さんが廃業する時代が来るかもしれません。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はECBの政策発表を受け102円73銭までドル高が進んだが、その後ユーロドルが急反発したことから102円34銭まで下落。102円台半ばを挟んで方向感の出ない動きが続いた。
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2014-06-06 09:15