アライアンス・バーンスタイン、グローバルでバリュー株に注目

 アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーの株式運用部門責任者兼グローバル・バリュー株式最高投資責任者のシャロン・フェイ氏は2014年6月6日、グローバル株式市場の見通しについて「マクロ経済環境は改善しつつあり、今後はバリュー株のパフォーマンスの向上が期待される」と語っている。東京・丸の内のアライアンス・バーンスタインの日本法人でメディア・ラウンドテーブルを開催した。(写真は、アライアンス・バーンスタインのシャロン・フェイ氏。サーチナ撮影)  フェイ氏は、「世界の投資家が、日本の今後について高い関心を示している」という状況を受けて、日本の調査チームとのミィーティングをはじめ、日本における情報を直接収集するために来日した。「日本経済は、1990年代前半いらいの回復局面を迎え、長らく続いたデフレにもようやく終息の兆しがあり、今後の日本株式市場にも大変ポジティブな見通しをもっている」と語っている。  特に、日本企業については「大幅に進んだ円安という環境にあっても輸出増に進まず、製造業を中心に円安の利益を負債の削減や内部留保にあてて将来の投資に備えている。営業利益率も大きく改善していることから、今後の成長に大いに楽しみがある」と語る。「非伝統的な金融政策の影響の見極め、消費増税の影響、また、安倍政権の成長戦略における進展不足など、総合的には懸念材料があるものの、個別の企業要因を分析していくと魅力的な銘柄がみつかる」と、日本株に対するオーバーウエイトの姿勢を説明した。  一方、グローバルな株式投資環境については、米国、ユーロ圏、日本など先進国で経済状況が改善している点、また、減速している中国の経済成長率も今年夏に底入れして向上に向かう見通しが持てることなどを要因に、「グローバル経済成長率は拡大する」という見通しを披露。また、「長期的な観点から株式は債券に対し割安な位置にあり、特に、リーマンショック以降に長らく低迷してきたバリュー株にパフォーマンス改善期待が強まっている。地域的には、日本の株式が際立って割安で、次いで新興国が割安(米国は比較して割高)」と分析結果を語った。  また、米国で量的金融緩和の出口政策が動き出すなどグローバルに金利が上昇局面を迎えつつあるが、アライアンス・バーンスタインが、1970年以降における金利上昇局面での株価リターン(年率)を調べた結果、「金利上昇局面でのグローバル株式市場の平均リターンは17.8%」という。「金利上昇局面で株式市場が低迷した時には、急激なインフレや経済危機などが発生していた。現在は、物価は安定的で、米国経済の回復に伴ってFRBの金融政策と米国債利回りは緩やかに正常化していく方向にあるため、過去の金利上昇局面で株価が低迷した時期とは異なる」と、当面の株式市場に楽観的な見通しを持っていると語っていた。(取材・編集担当:徳永浩)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーの株式運用部門責任者兼グローバル・バリュー株式最高投資責任者のシャロン・フェイ氏(写真)は2014年6月6日、グローバル株式市場の見通しについて「マクロ経済環境は改善しつつあり、今後はバリュー株のパフォーマンスの向上が期待される」と語った。
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2014-06-06 17:45