山田コンサルティンググループは強基調に回帰、1月高値試す
各種コンサルティング事業を展開する山田コンサルティンググループ <4792> (JQS)の株価は、3月安値1897円から反発して出直り展開となり、1月高値2690円に接近している。短期調整が一巡して強基調に回帰した形であり、高配当利回り、自己株式取得、さらに中期成長力を評価して1月高値を試す展開だろう。
各種コンサルティング事業を展開するグループの純粋持株会社である。傘下の山田ビジネスコンサルティングの経営コンサルティング事業(経営・財務・企業再生・事業承継・M&A支援・資本政策などのコンサルティング)、山田FASの資本・株式・株主に関するコンサルティング事業(バリュエーション業務、M&A・企業再編の財務アドバイザイリー業務、上場支援業務、中堅中小企業対応M&A関連業務など)、山田不動産コンサルティングの不動産コンサルティング事業(不動産有効活用などのコンサルティング、不動産仲介、住宅販売仲介など)、東京ファイナンシャルプランナーズのFP関連事業(FP資格取得講座・実務研修、相続手続サポート業務など)、キャピタルソリューションおよび投資事業有限責任組合の投資ファンド事業(事業承継ファンド)などを展開している。
中期経営目標としてはROE(株主資本当期純利益率)20%以上を掲げている。また中期成長に向けた重点戦略として、グループ中核事業の経営コンサルティング事業では、大手金融機関や地方金融機関との連携強化、事業再生・事業承継を切り口としたM&A事業の本格展開に加えて、中国現地法人およびシンガポール支店を拠点として中国・アジア展開も強化する。資本・株式・株主に関するコンサルティング事業では、大手証券会社など金融機関との連携を強化し、事業承継を切り口とした中堅中小企業対応M&A関連業務の拡大を推進する。
不動産コンサルティング事業では提携会計事務所との連携を強化し、幅広いコンサルティング業務を行うとともに、賃貸管理業務や住宅販売仲介業務も強化する。FP関連事業では、法人マーケットにおける研修でオーダーメイド型研修の提案を強化するとともに、金融機関との連携を強化して相続手続に関するサポート業務を軌道に乗せる。投資ファンド事業では、事業承継問題を抱えている優良な中堅・中小企業をターゲットとして、投資リスクを最小限に抑えながら投資案件を発掘していく方針だ。
5月8日に発表した前期(14年3月期)の連結業績(1月29日に2回目の増額修正)は、売上高が前々期比14.5%増の77億51百万円、営業利益が同22.9%増の17億14百万円、経常利益が同25.0%増の17億96百万円、純利益が同2.1倍の16億23百万円だった。純利益は関係会社株式売却益2億50百万円や子会社間合併に伴う繰延税金資産計上も寄与した。
配当予想については5月8日に期末10円増額修正して、13年10月1日付株式100分割を考慮すると実質的に年間80円(第2四半期末3500円は実質的に35円、期末45円)とした。前々期との比較では実質的に30円増配となる。
セグメント別(内部取引等消去前および全社費用等調整前)に見ると、経営コンサルティング事業は売上高が同10.9%増の54億78百万円、営業利益が同8.8%増の11億94百万円だった。専門コンサルとしての認知度が高まったことも背景として、企業再生コンサルティング、M&A支援コンサルティング、事業承継コンサルティングの受注が好調に推移した。資本・株式・株主に関するコンサルティング事業は売上高が同31.9%増の8億91百万円、営業利益が同56.6%増の2億12百万円だった。ファイナンシャルアドバイザイリー業務、バリュエーション業務が好調で、大型の成功報酬案件が寄与した。
不動産コンサルティング事業は売上高が同13.7%増の5億88百万円、営業利益が同6.7%増の1億29百万円だった。大型案件はなかったが、不動産仲介案件および不動産有効活用を中心としたコンサルティング案件を着実に積み上げた。FP関連事業は売上高が同21.9%増の6億26百万円、営業利益が同3.4倍の65百万円だった。確定拠出年金(DC)導入企業に対する関連研修の実施回数が増加した。投資ファンド事業は売上高が同4.3%増の3億05百万円、営業利益が同5.9倍の1億09百万円だった。事業承継ファンドにおいて投資先2社の株式売却益があり、投資先企業からの配当金収入も寄与した。
今期(15年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比3.2%増の80億円、営業利益が同3.2%増の17億70百万円、経常利益が同0.1%増の18億円、純利益が同33.4%減の10億80百万円としている。配当予想は年間90円(第2四半期末45円、期末45円)とした。13年10月1日付株式100分割を考慮すると実質的に前期比10円増配となる。
純利益は特別利益や繰延税金資産計上の一巡などで減益見込みだが、主力の経営コンサルティング事業や資本・株式・株主に関するコンサルティング事業などが好調に推移して、増収営業増益見込みだ。なお投資ファンド事業では、現時点では投資株式のイグジットの見込みはないとしている。
なお5月8日に自己株式取得を発表した。取得株式総数上限は10万株(発行済株式総数に対する割合2.06%)で、取得価額総額の上限は20億円、取得期間は14年6月1日~15年3月20日としている。
株価の動きを見ると、1月高値2690円から利益確定売りなどで一旦反落したが、3月安値1897円から反発して出直り展開となった。5月8日発表の今期増配見通しや自己株式取得も好感し、足元では2400円近辺まで戻して1月高値に接近している。短期調整が一巡して中期成長力を評価する動きだろう。
6月6日の終値2388円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS223円20銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は3.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1518円77銭で算出)は1.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して強基調に回帰した。また週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなって26週移動平均線を回復した。短期調整が一巡して強基調に回帰した形であり、高配当利回りも評価して1月高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
各種コンサルティング事業を展開する山田コンサルティンググループ<4792>(JQS)の株価は、3月安値1897円から反発して出直り展開となり・・・。
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2014-06-09 09:15